Osaka Metroは11月22日、あいおいニッセイ同和損害保険(以下「あいおいニッセイ同和損保」)、NTTドコモ、大林組、関西電力、ダイヘン、凸版印刷、日本信号、パナソニック、BOLDLYと共同で、2025年大阪・関西万博会場内外の輸送において、レベル4を見据えた自動運転車両を核とした次世代の交通管制システムの提供を目指した実証実験を実施すると発表した。
実証実験では、万博会場を想定した1周約400メートルのテストコースを整備し、複数台の自動運転車両を運行させることで、自動運転走行の一元管理の課題抽出と、非接触充電による電動モビリティへの充電制御に関するエネルギーマネジメントの技術検証を行い、より渋滞の少ないエネルギー効率のよい次世代都市交通システムの構築に向けた実証を行う。
また、車両の運行を管理する手法・システムを企画し、マネジメントする高度な専門人材の育成を行うとともに、将来の自動運転化による様々な技術・サービスについても活用の可能性を検証する。
なお、実証実験は、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会及び大阪商工会議所が、企業等による万博開催の機運醸成と未来社会を見据えたイノベーション創出に向けた「夢洲における実証実験の公募」を実施し、これに提案し採択されたもの。
■実験内容
①MaaSアプリ・顔認証
目的地までの移動ルートを検索し、目的地周辺までのオンデマンド交通及び目的地まで移動する小型モビリティの提案・予約を行う。オンデマンド交通乗車時は、顔認証で乗り込む。
②自動運転
公道における自動運転レベル2の走行や敷地内のテストコースにおける自動運転レベル4相当の走行を行う。
③車内コンテンツ
利用者が移動時間を楽しめるコンテンツを、5Gを用いて配信する。車内でのホスピタリティを向上させることで、快適な車内環境を実現する。
④低速自動運転・パーソナルモビリティ
目的地までは、MaaSアプリで予約した低速自動運転モビリティやパーソナルモビリティを用いて、歩行者と混在する環境下で移動する。
⑤モビリティの管理
5G通信環境の高速・大容量・低遅延なデータ通信により、遠隔監視者一人で低速自動運転モビリティやパーソナルモビリティなど様々なタイプのモビリティの運行状況を一つのシステムで一元的に管理する。異常時には遠隔監視者からの操作で車両を制御する。また、電動モビリティのバッテリー残量の状況把握等も行う。モビリティの台数が不足することを防ぐために、在庫の管理を行うなど、モビリティ全体での交通の最適化を行う。
⑥信号協調
AI判定によるセンシングと5Gによる路車間通信を活用し、交差点における死角車両等との衝突回避するための安全情報、信号切替タイミングの事前通知等により、安全な自動走行をインフラから支援する。
⑦道路での非接触充電・発電
路上で電動モビリティの非接触充電を自動的に開始し、充電スポットでの充電頻度を減らす。また、電動モビリティへの非接触充電による充電量のデータ取得を行い、充電制御に関するエネルギーマネジメントの検証を行う。また、太陽光発電を行う路面や自然に配慮した自然循環配慮型舗装を行う。
⑧保険・リスク管理
様々なモビリティが走行することにより生じるリスクだけでなく、サービス提供、運行管理におけるリスクも幅広く検討し、複数の車両に対しての迅速な対応サービスを実現する。