オリックス自動車と、米国の自動車分野における人工知能(AI)技術のスタートアップNautoは、AI搭載型通信ドライブレコーダー「ナウト」の、日本国内でのサービス提供に関する業務提携をした。
提携では、テレマティクスサービスの提供実績(※1)と、リスクコンサルティングの知見を有するオリックス自動車が、国内自動車リース会社としてNautoと独占販売契約を締結し、2018年8月6日から、法人向けに販売を開始する予定(※2)。ソフトバンクが、オリックス自動車による販売を、営業面で支援する。
「ナウト」は、通信機能を備えた2つの小型カメラで、ドライバーの挙動や周辺状況など、車内外で発生する事象を検出・録画し、車載機に搭載されたAIで運転の危険度をリアルタイムに分析するドライブレコーダー。
前方車両との距離などを把握してリスク発生を予測したり、運転中のスマートフォン使用などによるわき見運転やあおり運転といった危険動作を検知し、警告音を発する。
また、深層学習による独自アルゴリズムで、ドライバーの運転挙動を分析し、車外の物体検知や路面状況を把握することから、誤検知が少ないことが特徴のひとつとして挙げられている。
急制動(加減速度)やわき見運転などのリスクを検知すると、車載機ベースでの警報発出に加え、検出イベントをクラウドにアップロードしてリスクを分析。クラウドにはリスクイベントの発生に関連する情報のみが抽出され、運行管理者はセキュアな環境で提供されるウェブアプリケーションを通して当該分析データを閲覧できる。
また、検知したリスクと運転者の注意力との因果関係を総合的に解析し、各ドライバーの運転リスクをベラスコア(※3)として算出し評価。他にも、ドライバー識別機能を搭載し、ドライバーを認知することで容易に走行データと運転者情報の紐付けが可能だ。
こうしたリスク発生時の車内外の動画データと、ベラスコアを活用することで、ドライバーに対するより的確で効果的な安全指導が可能となるとしている。
※1:オリックス自動車は、通信やGPS機能を備えた車載機を搭載することで、車両の運行データを取得し、運行管理におけるコンサルティングを行う「テレマティクスサービス」を提供。2018年3月末現在、法人向け「e-テレマ」「e-テレマPRO」は15万8千台の車両に搭載されている。
※2:同サービスは、初期サービス導入費13,000円/台、月々の利用代金5,500円/台(いずれも税別)、契約期間3年からで提供予定。なお、料金はサービス内容の変更などにより、変更する場合がある。
※3:「Vision Enhancement Risk Assessment」(映像から確認できるリスクを付加した評価方式)からなる造語。ドライバーの運転状況(注意力・急制動)を元に独自の算出方法で事故リスクをベラスコアとして数値化して表示。注意力はわき見運転の時間と走行速度により算出、急制動は急加速・急ブレーキ・急ハンドルのG値と走行速度により算出。(計算式は非公開)
[ナウトの概要]
<ナウトの特徴>
<ナウト車載機詳細>
車内・外カメラ一体型であらゆる車種に搭載可能。オートフォーマット機能を搭載しており、法人ユースで課題となっているSDカードのフォーマットも不要。
<ナウト車載機本体仕様>
通信手段:LTE
センサー:GPS、6軸Gセンサー
LED:赤外線搭載(夜間撮影対応)
車内・車外カメラ:画素数:480px、画角:水平144°、垂直72°
スピーカー:有(音量調節可能)
マイク:有(無効・有効設定変更可能)
記録媒体:MicroSD 64GB
撮影時間:約50時間
バッテリー:なし(常時給電)
電源電圧:規格電圧12V/24V対応
サイズ/重量:135.7×71.4×44.6mm/177g(カバーを除く)
[Nauto Inc.の会社概要]
本社:米国カリフォルニア州パロアルト市
代表者:Stefan Heck
設立:2015年3月
株主:
SoftBank Vision Fund, Toyota AI Ventures, General Motors Ventures, BMW i Ventures, Allianz X, Greylock Partners, Index Ventures, Playground Global, Draper Nexu
事業内容:
人工知能を活用した技術により、既存商用車と将来の自動運転車の安全向上に貢献する商品・サービスの提供
総拠点数:3拠点(米国1拠点、日本国内1拠点、欧州1拠点)
■Nauto:https://www.nauto.com