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2024年6月28日【アフター市場】

小野測器、テスラ・モデル3のベンチマーキングレポート発売

坂上 賢治

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電子計測器の製造・販売を担う小野測器は6月28日、自社事業「ベンチマーキングレポート販売」で、米最大手EVメーカー「Tesla」Model3の新規レポートを追加・販売を開始した。

 

小野測器は1954年創業。電子計測機器の製造、販売ならびに各種エンジニアリングサービス事業を展開。創業同年に国内初となるジェットエンジンの回転数をデジタル計測する回転計を開発した。

 

 

自動車産業では二輪・四輪車、自動車部品、 その他建設機械、食品や医療検査等、幅広い分野に於いて研究開発のサポートから製造工程での測定技術を提供。自動車メーカーHondaの第二期(1983-1992)F1レース活動に於いて、V6ターボエンジンのベンチ試験用の操作システムを特注制作した他、近年では電動車両(EV)開発支援など、カーボンニュートラル社会実現のために新たなビジネス領域への参入を果たしている。

 

そんな同社は、2023年より中国車の電動車両(EV)を計測対象とした「ベンチマーキングデータ販売」を開始。販売後の顧客の要望を受けて、計測対象車両第三弾として「Tesla」社のModel 3を選定した。

 

小野測器では今後も随時車両ラインアップを拡充していく予定としており、ベンチマーキングレポート提供を通じて、次世代モビリティ開発に於ける工数低減に寄与することで、カーボンニュートラル社会に貢献すると述べている。

 

 

ベンチマーキングレポートの強み

  • 「音響・振動」に関する計測・解析技術を活用した計測データを提供
  • お客様からの強い要望を受け、世界のベンチマークであるTesla Model 3を追加
  • ※今後、中国車両に限らず年間3~4車種のペースで計測データを拡充予定

 

高度化、多様化する自動車開発に於いて、ベンチマーキングデータは重要な情報源であり、特にスピードが求められるEV開発では、逸早く情報を獲得し、開発に活かしたいというニーズがある。これを踏まえ小野測器は、計測器メーカーならではの視点にこだわり、電動車を中心としたレポートの提供を続けていくと話している。

 

モーター・インバーター振動を表すグラフ

 

【レポート詳細】※2024年6月28日(金)より提供開始

 

 

●Tesla Model 3【新規】
・モーター・インバーター振動

低速域~高速域を定常及び過渡で走行した際のモーター・インバーターの振動を調査するため、3軸加速度センサーを設置し、測定・解析した。

 

・モーター・インバーター音
1/2インチマイクロホンをモーター・インバーター含むパワーユニットの各面(6面)に設置し、低速域~高速域を定常及び過渡で走行した際の測定・解析をした。

 

・パワーユニットマウント振動
パワーユニットから車両のボディに入力される振動を調査する為、3軸加速度センサーを用いてパワーユニットマウントのユニット側とボディ側を測定・解析した。

 

車室内騒音(運転席、助手席)を測定中の模様

 

・車室内騒音
車室内の運転席及び助手席に1/2インチマイクロホンを設置し、低速域~高速域を定常及び過渡で走行した際の騒音レベルを測定・解析した。

 

・伝達系振動特性
ハーシュネス路面を走行した際のステアリングコラム、運転席のシート振動を測定・解析した。

 

ステアリングコラムの振動特性を測定中の模様

 

・サスペンション・タイヤ振動
走行中のタイヤから入力される振動を調査するためにステアリングナックルとサスペンションタワー等の振動を測定・解析した。

 

・警音器
ISO路面にて道路運送車両法に基づいた場所に騒音計を設置し、車両の警音器を作動させた際の騒音レベルを測定した。
※「出力特性・パワーユニット効率」「出力制限特性」「駆動力特性・チップアウト特性・回生特性」は8月追加予定としている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。