UDトラックスが、平成30年2月22日、国土交通大臣に対して、リコールを届出た。
リコールの対象車は、「クオン」、対象台数は、約3,145台(※)。
リコールの概要
[届出者の氏名又は名称]
UDトラックス株式会社 代表取締役社長 村上 吉弘
[不具合の部位(部品名)]
① 緩衝装置(ショックアブソーバ)② 制動装置(ブレーキチャンバ)③ かじ取り装置(タイロッドエンド)
[基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因]
大型トラックにおいて、
①エアサスペンション仕様の車高調整装置装備車におけるショックアブソーバのピストン構造が不適切なため、横力によってピストンとシリンダの接触面圧が過大となり、荷役作業時等で最大車高まで上昇させ下降する動作を繰り返すと、ピストンリング溝部で内壁を傷つけることがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると、当該ショックアブソーバのピストンリング部に金属片が溜まり固着して、曲りや折損が発生し、最悪の場合、タイヤと干渉してバーストまたは発熱により発火するおそれがある。
②制動装置における前輪ブレーキチャンバの組付作業が不適切なため、プラグ(閉止栓)またはテストニップルおよびブレーキホース接続部(ニップルおよびホース接続ナット)の締付トルクが不足しているものがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると、当該プラグ等が緩みエア漏れが生じ、最悪の場合、脱落してエアが供給されず制動力が低下するおそれがある。
③前前軸右側タイロッドエンドの固定クランプ締付けボルトのメッキ前処理(酸洗い)工程が不適切なため、水素脆化によりボルトの強度が低下しているものがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると、ボルトが破断してタイロッドエンド部にガタが生じ、最悪の場合、タイロッドチューブが破損して、操舵不能になるおそれがある。
[不具合件数]
①3件、②1件、③1件
[事故の有無]
無し
[発見の動機]
市場からの情報
[改善措置の内容]
①全車両、ショックアブソーバを対策品と交換する。また、取扱説明書に車高調整装置の特性に関する記述の追補版を配布する。
②全車両、プラグまたはテストニップルおよびブレーキホース接続部(ニップルおよびホース接続ナット)を点検し、規定トルクで締付ける。
③全車両、前前軸右側タイロッドエンドの固定クランプボルト/ナットを対策品と交換する。なお、ボルト/ナットが損傷または脱落している場合には、タイロッドをアッセンブリで交換する。
[対象車種]
計1車種・17型式
●リコール対象車・通称名
「クオン」
[自動車使用者及び自動車分解整備事業者に周知させるための措置]
・使用者:ダイレクトメールまたは直接訪問して通知する。
・自動車分解整備事業者:日整連発行の機関誌に掲載する。
・対策実施車両:改善実施済車には、運転者席側ドア開口部のドアストライカー付近に No.4202のステッカーを貼付する。
[リコール対象車の製造期間(製造期間の全体の範囲)]
平成29年4月28日 ~ 平成30年2月15日
[リコール対象車の台数]
約3,145台
(備考)
※本届出の内①は、平成29年9月15日付け届出番号「4112」にてリコール届出を行ったものであるが、新たな原因が判明したため、対象を拡大し届出するものである。
※本届出の内③は、平成29年12月14日付け届出番号「4157」にてリコール届出を行ったものであるが、新たな原因が判明したため、対象を拡大し届出するものである。
※リコール対象車の車台番号の範囲には、対象とならない車両も含まれる場合がある。
リコール対象車の形式等、詳しい情報について
リコール届出一覧表(国土交通省 PDF):
http://www.mlit.go.jp/common/001222913.pdf
改善箇所説明図(国土交通省 PDF):
http://www.mlit.go.jp/common/001222612.pdf