日産自動車は3月15日、NISMOヘリテージパーツに、金型を用いずにボディパネルを成形する「対向式ダイレス成形」と、製品開発における試作工程の一部で使用する3Dプリンター技術などを活用した新商品として、R32型スカイラインGT-Rの「リアパネル」と「ハーネス用プロテクター」を追加すると発表した。
「NISMOヘリテージパーツ」は、日産自動車とニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(NISMO)、オーテックジャパンの3社が、サプライヤーと共同で製造廃止となった純正補修部品を再供給するもの。日産パフォーマンスカーのオーナーが、少しでも長く乗り続けられるよう、できる限りサポートする活動の一環として、2017年12月に80部品が発売され、以降約3年間で300部品以上に拡大。今回、R32型スカイラインGT-Rの「リアパネル」と「ハーネス用プロテクター」が、商品化される。
日産は、リアパネルの商品化にあたり、 ボディパネルの少量生産対応技術として開発した「対向式ダイレス成形(※)」工法および、鏡面化ダイヤモンドコーティング工具による無潤滑加工を基盤に、熟練作業者の板金ノウハウを取り入れながら試作を繰り返したほか、サプライヤーとも連携し、自動車部品に求められる高い品質を実現。
また、ハーネス用プロテクター(樹脂部品)の商品化では、SOLIZE社と共同開発した3Dプリンター技術をベースに、ハーネス本体を製造するサプライヤーとも協力して、3Dプリンターの性質に合わせた部品の再設計・性能試験を実施。高い品質基準が求められる自動車部品の商品化を短期間で実現したと云う。
日産は今後も、総合研究所や生産技術研究開発センターの技術を活用し、「NISMOヘリテージパーツ」の供給アイテムを更に拡大していくとしている。
※)対向式ダイレス成形:2019年10月発表。棒状の工具を取りつけたロボットが、パネルを徐々に変形させて成形する「インクリメンタル成形」技術を用い、成形工具を対向側にも配置することにより複雑な形状の成形を可能とする工法。
■NISMOヘリテージパーツ:https://www.nismo.co.jp/heritage_parts/