日本交通は1月12日、葛西営業所に所属するタクシー乗務員の「運転地理検定」取得を開始したと発表した。2021年1月7日・8日の2日にわたり団体受検を開催し、葛西営業所所属の全乗務員28名が受検した。
同社によると、葛西営業所に在籍する乗務員は全員が新卒採用による乗務員であり、運転地理検定の取得を通じて乗務員としてのモチベーションとスキルの向上を図り、より高いタクシーサービスの提供を目指すとのこと。今回は「都心部3級」の受検から行い、今後の乗務経験に応じてさらに上の級を目指す。乗務員の配属状況に合わせ、団体受検は半年ないし1年に1回の開催を計画しているほか、他営業所の新卒採用乗務員への拡大も検討していく。
<運転地理検定について>
運転地理検定は、一般社団法人運転地理検定協会が実施するもので、特にプロドライバーが運転するにおいて必要な地理知識の習熟度を測るもの。東京をはじめとする首都圏エリアの交差点、道路、施設などについて記述を中心に答える、難易度の高い検定だ。地理知識の習熟は、効率的な運行の実現のほか、事故・違反防止など安全運転にも直結するものであり、安心・安全な個別輸送機関の実現という社会的要請に大きく貢献する。
運転地理検定は、日本交通ではハイヤー乗務員において2019年10月より団体受検を実施しているが、これをタクシー乗務員にまで対象を広げることで、サービスの質の更なる向上を目指していく。
◾️ 一般社団法人 運転地理検定協会 : http://www.untenchiri.or.jp/
<タクシー乗務員の地理知識を見える化>
利用者がタクシーサービスを「悪い」と感じる際、その多くが「乗務員の接客態度の悪さ」に次いで「地理に詳しくない」ことを理由として挙げており(※)、タクシーサービスの改善において地理知識の向上は重要な課題となっている。
葛西営業所では在籍する乗務員は全員が新卒採用の若い乗務員であり、地理学習を通じて乗務員としてのスキルアップを図ることが利用者の満足度向上につながるだけでなく、地理知識の習得度合いを見える化することで、自身のキャリアアップにおいて目標をもって取り組めるようになるとのことだ。
※ 2019年10月に当社が実施したインターネットリサーチ(男性563名、女性137名)において、東京のタクシーサービス水準が「悪い」「非常に悪い」と回答した21名が挙げた理由(複数回答)は、「乗務員の接客態度が悪い」52.4%、「地理に詳しくない」42.9%、「運転が乱暴」38.1%、「車内の匂いが気になる」33.3%、「車内が清潔でない」23.8% というものであった。