日本カーソリューションズ(NCS)とNTTコムウェアは、8月8日、AI(人工知能)が、整備工場からの複雑な請求伝票の確認業務を代行する技術検証に成功したと発表した。
これにより、年間百数十万件におよぶ膨大な整備請求伝票の迅速かつ正確な確認や、整備工場への速やかな支払、および確認業務の負荷軽減が見込めると云う。
[背景]
NCSでは、オートリース契約をしている企業や個人に、車検・点検・整備を含むメンテナンスリースを提供。これに伴い全国各地の提携整備工場から年間百数十万件におよぶ整備請求伝票の取扱いがある。
車種の多様化が進む中、整備請求伝票の確認業務は、メンテナンスの作業項目や作業時間、部品が車種毎に異なるため複雑化、高度な専門知識が必要となった。
NCSは、今後の更なる自動車業界の変革や契約数の増加を見据え、膨大な整備請求伝票に対して、正確かつ迅速な確認を継続するためには、AIによる業務代行が必要と考え、NTTコムウェアとの協業により、過去の大量データを活用し、「整備請求伝票の確認業務代行AI」の構築に向けた技術検証を実施した。
[概要]
今回の技術検証では、過去の膨大な整備請求伝票と確認記録に対してデータマイニングを実施。担当者のノウハウをパターン化し、出現頻度の高い確認パターンをAIに学習させることで、担当者と同等の確認結果が得られるかを検証した。
技術検証を通じ、確認業務をAIに代行させた結果、高い再現性を確認することに成功し、現在、開発を進めている。
<整備請求伝票の確認業務代行AIの活用モデル>
○確認パターンをAIが学習
○整備工場が整備請求伝票を登録する際に利用する、請求登録システムにAIをアドオン
○整備請求伝票に対し、AIによる確認作業を実施し、整備工場に確認結果を即時フィードバック
○AIへの確認パターン学習を継続的に行うことで、代行範囲を拡大
※上記活用モデルは、ビジネス関連発明として、特許出願中
[今後の展望]
両社は、「整備請求伝票の確認業務代行AI」の全面実用化に向け、業務代行として適用する範囲の見極めと検証を行い、高い精度であることを確認できた業務領域から、順次実用化していく方針だ。