三菱ふそうトラック・バスは10月14日、「第23回水・エネルギー・技術・環境展(WETEX)」および「ドバイソーラーショー」でMFTBCの電気小型トラック「eCanter」を展示したことを発表した。
eCanterがUAEで一般に公開されるのは今回が初めてとなる。
ENOC Link社は、UAEの企業向けにディーゼルやバイオディーゼル、ガソリンの発注と配送をオンラインで管理し、オペレーションの最適化を支援するサービスを提供しており、このサービスは、ドバイ政府の100%出資会社であるENOC(エミレーツ・ナショナル・オイル・カンパニー)グループが運営している。
ENOC Link社は、ダイムラートラックの中東における地域統括拠点、ダイムラー・コマーシャル・ビークル・MENA(DCV MENA)社と提携し、通常のスチール製タンカーに比べて30%軽量化されたアルミニウム製タンカーボデーなど、効率性を高めるための特別な機能を備えた先駆的なeCanterを展示した。この車両には、クラウドに接続して燃油供給データを瞬時かつ継続的に送受信する計測機能が搭載されている。
WETEXとドバイソーラーショーは、イノベーションによってサステナブルな未来を築くというドバイの中長期ビジョンを支援する目的で、ドバイ電気水道局(DEWA)が主催している。これらのイベントは毎年、エネルギー、天然資源、サステナビリティ分野における最新の知見や画期的な技術を紹介する機会をグローバル企業に提供する。
UAEは、2010年に策定した国家戦略「UAEビジョン2021」においてグリーン経済の成長を目指す方針を打ち出しており、以後、同国は環境に配慮した都市計画、交通、技術に対して継続的に投資してきた。一方、DEWAは、ドバイ首長国に300カ所以上の電気自動車(EV)充電ステーションを設置しているほか、二次元バーコード(QRコード)を用いた一般消費者向けEV充電ネットワークなどの革新的なプログラムにより、EVの普及を進めている。
WETEXとドバイソーラーショーに続き、ENOCグループはExpo 2020 Dubaiのために設計した「未来のサービスステーション」でもeCanterを展示する。Expo 2020 Dubaiの公式総合エネルギーパートナーであるENOCグループは、最先端のサステナブルなデザインの燃料ステーションのコンセプトを打ち出した。「未来のサービスステーション」のひさしは環境に優しい炭素繊維でできており、必要なエネルギーは敷地内に設置された風力発電機と太陽光発電パネルから供給されている。
ふそうブランドにとってUAEは重要な市場であり、小・中・大型トラック、そして小型バス「ローザ」や大型バス「BA」まで、幅広い製品を展開している。MFTBCの川崎製作場から完成車として輸出している「キャンター」は、発売以来、小型セグメントでトップシェアを維持してきた。2020年には、UAEで販売されている小型トラックとしては初めて、欧州排ガス規制「ユーロ5」に適合した改良モデルを導入。WETEXとExpo 2020 DubaiでのeCanterの展示は、ふそうブランドのよりサステナブルな未来へのコミットメントを表す。