国土交通省は1月4日、「大型車の衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)」に関する国際規則の改正により新たに追加された「対歩行者の基準」を国内の保安基準に導入するため、所要の法令等の整備を行うと発表した。
国際連合欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP29)に於いて、「衝突被害軽減ブレーキ(AEBS: Advanced Emergency Braking System)に係る協定規則(第131号)」の改正が合意され、新たに対歩行者の基準が追加された。
これを踏まえて、国交省・自動車局は4日、改正された協定規則を国内の保安基準に反映させることなどを目的として、保安基準の詳細規定の改正等を公布・施行した。
なお、このAEBSの国際基準改正および同時に成立した「車両後退通報装置」に係る新国際基準は、日本の交通安全環境研究所が、それら基準改正及び策定のための国連の会議の議長等を務めながら、日本としてその策定を主導し合意に至ったものであると云う。
1.主な改正項目(詳細は別紙(※)参照)
(1)トラック・バス等には、新たに対歩行者の制動要件に適合する等、強化された要件を満たす衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)を備えなければならないこととする。
(2)トラック・バス等には、後退時に警報音を発する車両後退通報装置(バックアラーム)を備えなければならないこととする。
(3)高速道路での車線維持機能を有する自動運行装置の要件について、作動可能な上限速度を引き上げるとともに、車線変更機能の要件を追加する。また、令和4(2022)年4月に成立した道路交通法の一部を改正する法律を踏まえ、自動運行装置の要件について、運転者が不在となる場合を想定した規定の整備を行う。
※(国交省)道路運送車両の保安基準等の一部を改正する省令及び道路運送車両の保安基準の細目を定める告示等の一部を改正する告示について(PDF):https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001579808.pdf
2.公布・施行
– 公布:令和5年(2023年)1月4日
– 施行:令和5年(2023年)1月4日(1.(2)は令和5年1月19日)
[問い合わせ先]
・国土交通省自動車局 車両基準・国際課:山村、占部
電話:03-5253-8111(内線42532)/直通:03-5253-8602/FAX:03-5253-1639
・国土交通省自動車局 審査・リコール課:福薗、高嶋
電話:03-5253-8111 (内線42313)/直通:03-5253-8596/FAX:03-5253-1640
■別紙(国交省)道路運送車両の保安基準等の一部を改正する省令及び道路運送車両の保安基準の細目を定める告示等の一部を改正する告示について(PDF):https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001579808.pdf
■別紙2(国交省)大型車等の衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)に関する基準改正:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001579809.pdf
■参考(国交省)国連の車両等の型式認定相互承認協定(1958年協定)の概要(PDF):https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001579817.pdf
■参考2(国交省)国連の車両等の型式認定相互承認協定における相互承認の対象項目(PDF):https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001580931.pdf