国土交通省は1月21日、昨年(令和3年)8月以降、これまでに6回開催された「今後の自動車事故対策勘定のあり方に関する検討会」について、中間のとりまとめを行い、報告書を公表した。
検討会では、自動車事故被害者の救済対策などを安定・継続的に実施するための方策を検討。今後の自賠責保険料の負担増についても議論されていることから、その行方が注目される。
[中間とりまとめの主な内容]
<背景・必要性>
中間とりまとめでは、「リハビリ機会の充実等による被害者支援のさらなる充実」と「先進的な安全技術の普及等による事故防止の一層の推進」が必要不可欠ではあるが、法的に「当分の間の措置」と位置づけ、行われている「被害者支援」や「事故防止」について、財源が積立金とその運用益のみであることから、運用益に頼ったスキームが昨今の金利情勢により破綻。いずれ枯渇し、事業継続が困難となる恐れがあるとし、一般会計からの繰戻しを前提に「自動車事故対策事業」を、持続実施できる仕組みへの転換が必要であるとの見解を示した。
<対応の方向性>
・一般会計からの繰戻しの継続を前提に、安定的な財源を確保し恒久的に実施。
・事故対勘定と保障勘定を統合の上、賦課金を拡充し、安定的な財源を確保。
・安定的な財源の使途について明確化を図り、定期的な効果検証を実施。
・準備期間を踏まえつつ、可及的速やかに制度設計し、令和5年度以降実施。
・詳細な賦課金額の水準、歳出のあり方は今後も引き続き検討(150円を超えない負担抑制を考慮した水準)。
<参考:検討会による今後の自動車事故対策事業の歳出規模の試算>
■(国土交通省)今後の自動車事故対策勘定のあり方に関する検討会 中間とりまとめ 概要(PDF):https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001460409.pdf
■(国土交通省)今後の自動車事故対策勘定のあり方に関する検討会:https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000088.html
■(国土交通省)自動車総合安全情報・自賠責保険ポータルサイト:https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/insurance.html