国土交通省は8月20日、タクシーの利便性向上に関する実証実験に参画する事業者の募集を発表した。
国交省は、タクシーの利便性向上のため、『[1]運賃を算出するための装置に、GPS情報を活用して走行距離を推定するソフトメータを導入すること、 [2]乗車前に確定する運賃(事前確定運賃)を変動させるダイナミックプライシングを運用すること』について、2021年10~11(予定)に実証実験を開始する。
現在、タクシーの運賃は、タイヤの回転数(車速パルス)に基づき走行距離を計測する「メータ」を活用して算出している。他方で、タイヤの回転数ではなく、GPS情報を基に電子地図上の走行距離を推定し、運賃を算出するシステム(ソフトメータ)を実用化できないか、国土交通省において議論を進めているところであった。
ソフトメータの導入により、タクシー事業者の経費削減に繋がることや、多様な運賃・料金サービスの導入が容易になり、利用者の利便性向上にも資することが期待される。国交省は、この実証実験により、ソフトメータの正確性を確認し、運用上の課題を抽出することで、今後の制度化に向けた検討の材料とするとしている。
■実証実験の内容
実際にタクシーにソフトメータを備え付けて、以下の実証実験を行うことで、各種実績を計測する。
(1)同一の道路・距離を、各社のソフトメータを備え付けた車両で走行し、ソフトメータ間の推定走行距離等の誤差を確認する。
(2)各社において、その作成するソフトメータを備え付けた車両を走行し、現行のメータとの推定走行距離等の誤差を確認する。