国土交通省は11月9日、重量超過等違反車両の『首都圏大規模同時合同取締』を実施した。
重量超過等の悪質な違反は、深刻な事故の原因となるとともに、道路を劣化させる主な原因となり、こうした違反車両の取締を強化することは重要となる。
このため11月9日、国土交通省、警察、高速道路株式会社等が合同で、首都圏に流入・通過する重量超過等違反車両を一斉に取り締まる合同取締を7箇所で実施し、計測車両13台のうち、違反車両2台に対し、指導警告等を実施した。
なお、大雨による視界不良等のため、予定していた21箇所のうち14箇所を中止した。
■概要
実施日:令和3年11月9日(火)10:00~11:30、13:30~15:00
場所:首都圏7箇所
取締結果:
計測台数 13台
違反台数(道路法違反) 2台
指導内容 指導警告 1台
措置命令 1台
■合同取締の目的
①課題:道路インフラの老朽化
道路インフラは高度経済成長期に集中して建設され、老朽化が進行している。10年後の2030年には全体の半数以上が建設後50年を経過することとなり、深刻な老朽化の時代を迎えている。限りある財源の中で、適切に維持管理をしていくには、いかに道路を長寿命化させていくかが喫緊の課題となっている。
②課題:重量超過車両による走行がもたらす2大悪
重量超過車両による道路橋の劣化への影響は、重量(軸重)の12乗に比例する。軸重が基準(10トン)の2倍超過して走行した場合、特に道路橋に対しては、たった1台が軸重10トン車の約4,000台分以上の走行に相当し、老朽化した道路インフラに対して多大な影響を及ぼしている。また、重量超過車両の走行は、交通事故に繋がりやすく、道路交通への影響も甚大となる。
③課題:合同取締の実施を通じて目指すこと
道路管理者は警察の協力を得て日頃から各地において現地での取締や自動重量計測装置(WIM)による取締を行うことで、違反車両の走行抑止を図っている。これに加えて年1回、首都圏を中心としたエリアにおいて道路に関する法令を所管する三者(道路管理者・警察・運輸支局)が連携し、大規模かつ同時に行う『合同取締』を行うことで違反車両への更なる抑止を図っている。この合同取締の実施により重量超過車両の走行による道路へのダメージや重大事故を削減して、道路ネットワークの長寿命化及び持続的な物流の実現を目指し、安心・安全な社会へ貢献するねらい。