国土交通省は10月7日、乗車前に確定する運賃(事前確定運賃)を変動させる『事前確定型変動運賃』の実証実験を、令和3年10月から実施すると発表した。
現在、各タクシー会社は、行政が定めた一定の幅(公定幅)から、自社で運用する運賃を決定しており、更に、当該運賃に障害者割引(1割引)や深夜早朝割増(2割増)を行うことができるが、需給に応じて運賃を変動させ、減額・増額をすることはできない。
そこで、「もう少し安い値段で利用したい」、「混んでいるときにタクシーがつかまりづらい」といった利用者のニーズに応える選択肢として、需給に応じて、一定の幅内で運賃を変動させることができないか、国土交通省において議論を進めている。
ただし、タクシーが公共交通機関としての役割をしっかり果たすことができるよう、利用者が受け入れられない高額な運賃となったり、事前に利用者が支払う運賃がわからないまま変動しないよう、条件を設定する必要がある。
令和3年8月、国土交通省は『事前確定型変動運賃』の実証実験について、参画する事業者を募集。募集の結果、応募のあった2事業者が以下に記載する概要のとおり実証実験を行うこととなった。
今後、実証実験を通じて、運用上の課題を抽出することにより、今後の制度化に向けた検討の材料とするとしている。
■実証実験の概要
(1)株式会社Mobility Technologies提供の配車アプリ(GO)について
期間:令和3年10月11日(月)~令和3年11月30日(火)
場所:東京都特別区、武蔵野市及び三鷹市
タクシー事業者:5事業者(約8,100両)
(2)Uber Japan 株式会社提供の配車アプリ(Uber)について
期間:令和3年10月19日(火)~令和3年12月13日(月)
場所:東京都特別区(北区、板橋区及び練馬区を除く)
タクシー事業者:12事業者(約1,000両)
※令和3年10月19日(火)~11月1日(月)までの間は、運賃を変動させずに事前確定運賃を運用。