国土交通省は11月4日、エッセンシャル・サービスであるタクシー事業の安定的な事業の継続のため、ウィズコロナにおける新しいエチケットとして、タクシー乗車の際におけるマスクの着用を呼び掛けている。
タクシーは、新型コロナウイルス感染症が拡大する中において、感染のリスクや不安を抱えながらも、まさにエッセンシャル・サービスとして、高齢者や妊婦を含む地域住民の運送を担い、公共交通機関としての使命を果たしてきた。一方でタクシー利用者の中には、酔ったままマスクを着用せずに大声で話しながら乗車する人がいるなど、タクシーの運転者からは不安の声が上がっていた。
今般、都内の一部タクシー事業者から、「①運転手がマスクを着用していない理由を丁寧に聞き取った上で、②病気など正当な理由がない場合に限り、マスクの着用をお願いすることを基本とし、③それでも正当な理由なく、マスクを着用しない者についてのみ乗車をお断りする内容」を運送約款に規定する申請があり、国土交通省は11月4日、運転者のみならず次に乗車する利用者の感染防止対策に資するものとして、認可した。
ただし、本約款の内容は、マスク未着用者の乗車を一律に拒否するものではなく、事業者が上記①〜③の手続を丁寧に実施するものとしている。国土交通省としても、引き続きタクシーが公共交通機関としての使命を果たすためにも、タクシーの利用者に、特別な事情がある場合を除きマスクを着用することや、走行中の換気をはじめとする感染拡大の予防に、理解と協力を呼びかけていく。