損害保険ジャパン、電脳交通、第一交通産業(以下「第一交通」)は1月18日、損保ジャパンが保有する交通事故データと、電脳交通が提供するクラウド型タクシー配車システムを連携させた新たな安全運転支援ソリューションを、第一交通グループのタクシー車両に導入し、交通事故防止の効果等を検証する実証実験を開始したことを発表した。
実証実験では、損保ジャパンが保有する数百万件の交通事故データを加工して事故多発地点統計データを作成し、そのデータを電脳交通のクラウド型タクシー配車システムに連携して、配車タブレット上に表示。そして、その配車タブレットを第一交通グループの山梨県・愛知県・和歌山県下のタクシー車両522台(内訳:山梨県128台、愛知県180台、和歌山県214台)に順次設置し、通常のタクシー運行を行う。
タクシー車両が、配車システムに登録されている事故多発地点周辺を通りかかると、アラート音で注意喚起を促す。これにより、交通事故防止の効果がどの程度あるのか、またドライバーの行動変容にどれくらい寄与するのか等を3社で検証する。
2020年は、新型コロナウイルスの影響による移動制限により、全国の交通事故死者数は過去最少となった。しかし、事故の根本的な解決には至っておらず、ドライバーの自助努力による事故防止にも限界がある。昨今、安全運転に対する社会的要請はより一層高まっており、ヒト・モノの輸送を維持するために今後さらなる対応が求められている。
損保ジャパンは、企業向け安全運転支援サービス「スマイリングロード」や個人向け安全運転支援サービス「Driving!」など、通信機能付きドライブレコーダーを活用した安全運転支援ソリューションを提供し、「高齢ドライバーによる事故の増加」や「あおり運転」といった社会課題の解決を通して、事故の無い社会の実現に向けて取り組んできた。また、自動車の事故対応を通じて蓄積された膨大な交通事故データを活用した新たな価値創出についても検討を進めてきた。
電脳交通と第一交通は、「地域交通の維持・存続と活性化」の実現を共に目指し、2020年10月に資本業務提携を締結して以降、電脳交通の配車システムを第一交通グループのタクシー配車業務に順次導入している。
今回、「事故の無い社会」「レジリエントな地域交通機能」「タクシーの新たな提供価値創出による地域社会への貢献」を実現するため、3社で業務連携を行い、損保ジャパンが保有する交通事故データと電脳交通のタクシー配車システムを連携させて開発した安全運転支援ソリューションを用いた実証証験を実施する。
■実証実験における各社の役割
損保ジャパン:実証実験の企画・総括、交通事故データの提供、効果検証
電脳交通:交通事故データを連携したクラウド型タクシー配車システムの開発
第一交通:タクシー車両の運行、ドライバーの協力
タクシー配車システムの実装イメージ