DataHax(本社:東京都渋谷区、代表取締役:大西洋平太)は3月5日、出庫時決済の手間を不要にする新新たな駐車場決済サービス「電脳ETC」の提供を開始した。
サービスの始動は3月7日。駐車場の利用ユーザーが事前にクレジットカード登録を行えば、出庫前決済の手間なくETCと同じ感覚で車を出庫することができる。結果、これまで当たり前だった精算機やアプリを使った決済を全廃。スムーズ&スマートな駐車場体験を提供できるという。
この決済不要の「電脳ETC」導入の理由は、DataHaxも駐車場を運営する中で出庫時の駐車場料金精算による混雑や渋滞が長年の課題として認識していたため。
ちなみにそうした解決策の一つとして昨今では、駐車場内でのETC運用が導入され始めている。しかしETCゲート設置やシステム導入に莫大な費用が掛かるため、導入のハードルが高い。
そこで同社では、特別な機器をゲートにも車両にも設置せずに運用できる駐車場決済サービスの開発を進めてきた。その結果、独自開発したAI車番認識アルゴリズムを活用することでノンストップでの精算を可能にしたと話している。
これにより、駐車場利用者は出庫の際に「精算機の前で一時停止をする」「スマホでの決済」といった手間がなくなり、シームレスな移動が可能になる。また事業者は、料金徴収に関する対応や設備の保守メンテナンスから開放される。
その「電脳ETC利用」の仕組みは、まず(1)事前に車番情報とクレジットカード情報を登録する。(2)駐車場に入る際、AIカメラが車番情報を読み取る。(3)サーバー上で車番情報を照合する。(4)ユーザーは空いている出庫に駐車。(5)ユーザーは駐車場から出場する際も、精算機、スマホ決済もなくそのまま出庫可能。(6)AIカメラは出庫を確認した後、サーバー上にて決済完了。(7)ユーザーは出庫後に決済通知を受信して確認する、という流れだ。
この「電脳ETC」の特徴は以下の3つとなる
・スマホを使って決済しなくてOK
これまで出庫時はお客様のスマートフォンからキャッシュレス決済をしていたが、「電脳ETC」に事前登録して貰うことで、出庫時の自動決済が完了する。
・車に乗ったらすぐに出庫。駐車場の精算待ちは不要
通常、事前精算やゲート付近での精算は10秒程度は掛かることから、出庫の際、渋滞問題が発生していた。しかし電脳ETCはノンストップで出庫できるため、渋滞問題を解決し、観光スポットやスポーツ施設、大型施設周辺の道路状況の改善にも有効だという。
・精算料金はあとで確認すればOK
決済履歴は管理画面から確認することが可能。またマイページから決済情報の画面へアクセスできるため、インボイスにも対応できる。社用車などで日々駐車場を利用する方の事務工数の削減に役立つ。
つまり駐車場の運営側は、AIアルゴリズムを活用したカメラによって、駐車中の車を認識し、入出庫時間、料金等を管理する。これまで駐車場で行われていた「ゲートでの一時停止」「駐車券発行」「精算機での精算」などの手間を排除してスマートな駐車が実現する。また「電脳ETC」はAIカメラを設置するという最小限の機材で運営できるため、事業者は一般的な駐車場システムの2分の1のコストで開業することができるとした。
同社によると、現在、他社からの問い合わせがあり、2024年は100箇所程度の設置を目指しているとした。この新たな駐車場決済の利用拡大により、様々な場所で通り抜け精算が可能となり、ユーザーの行動最適化を実現することができると結んでいる。
また自動運転の実用化に伴い、運転手無しの車両の駐車にも独自開発したナンバープレート認証を活用してシームレスに対応できるため、今後も電脳ETCの展開を拡大させていきたいと話している。