ジョルダン、トヨタマップマスター、ミックウェア、日本オラクルの4社は1月11日、交通の利便性向上や観光体験の拡大による地域活性化を目的に、さまざまな移動手段・サービスを組み合わせた新たなマルチモーダル・データ基盤の構築で協業し、2022年夏頃から静岡県三島市、裾野市、長泉町エリアで実証を開始する予定だと発表した。
昨今、環境にやさしくサステイナブルなスマートシティを実現する構成要素の1つとして、移動サービスをデジタル・レイヤーで統合し、1人ひとりのニーズに最適な移動体験を提供することを可能とするマルチモーダル・データ基盤のニーズが高まっている。
大都市圏においては、自家用車、鉄道、バス、タクシー、シェアサイクル、カーシェアなど、あらゆる移動手段を連携させることで、渋滞やCO2排出などの社会課題を解決するだけでなく、検索、予約から決済、案内に至るまで、利便性の高いワンストップのサービス提供が求められている。
また、地方都市においては、公共交通が粗密なエリアでも、最新のマルチモーダル・データ基盤の仕組みを活用することにより、地域の新たな魅力発信や移住の促進に寄与することが可能となり、更には広域医療や交通弱者救済、自動車等移動手段の保有に頼らないアクセシブルな移動環境の実現、災害時の避難経路・避難場所への誘導など、スマートシティを実現する手段として注目されている。
これからの快適な移動環境を考える上で、多彩な事業者や地域のプレーヤーの参入を活性化し、社会全体での移動サービスを充実させるためには、新たなマルチモーダル・データ連携基盤の存在が必要不可欠となる。
協業では、乗換案内サービスを提供するジョルダン、高精細地図情報と高鮮度POI(Point Of Interest)を提供するトヨタマップマスター、カーナビゲーション・システムや位置情報サービス・アプリケーションを開発するミックウェア、地図空間情報や様々な形態のデータ・マネジメントを一元的にクラウドで提供する日本オラクルが連携してマルチモーダル・データ基盤を実現する。
現在は移動手段を起点に、ユーザーが検索サービスを都度選択しているが、4社の強みを生かした新たなマルチモーダル・データ基盤によって、使用するアプリに関わらず「何を楽しむために、どこへ行き、達成するための手段とルートはどれが最適解か」という移動目的を起点とした、直感的なワンストップの移動手段、マルチモーダルルートの提供を行う。
■4社協業の概要
・最適経路提示機能の開発
経路検索アプリと、あらゆる移動手段を組み合わせた移動目的を軸とする次世代マルチモーダル検索
・複合経路検索機能の開発
公共交通と自動車を組み合わせたルート検索アルゴリズムと結果を提供
・予約手配機能の開発
レンタカーやタクシー、駐車場等の複合経路の実現に必要な高鮮度POI情報の検索や予約手配
・料金計算機能の開発
移動人数によるトータル金額の違いも考慮に入れた移動手段の選択に必要なアルゴリズム
・各データの連携・蓄積
検索傾向や選択結果等の移動に関するあらゆる情報をオラクルのクラウド・サービス「Oracle Cloud Infrastructure」上でデータ・ウェアハウスを構築