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2022年3月16日【アフター市場】

JAF、服装の色の違いによるドライバーの視認性を検証

NEXT MOBILITY編集部

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JAFは3月16日、夜間における歩行者の見え方や反射材の効果についての調査結果を公開した。

 

公益財団法人交通事故総合分析センターによると、夜間に発生した交通死亡事故のうち約70%が道路横断中に発生しており(「交通統計 令和2年版」)、夜間の見えづらさが重大事故の一因と考えられている。今回は、横断中の歩行者などが身に着けている服装の色の違いや反射材の有無によってドライバーの視認性がどう異なるのかを調べ、夜間に外出するドライバーと歩行者が両方の立場でできる対策について検証した。

 

テストには歩行者に見立てたマネキンなどを使用し、模擬市街地の横断歩道上に設置。テスト車はその対象に向かって154m離れたスタート地点から時速20kmで直線走行し、ロービームとハイビームの両方でドライバーの視認性を確かめた。テスト車からは人間の視覚に近くなるよう調整したカメラで撮影したため、公開された映像では実際の運転時における見え方をドライバー目線で追体験することができる。

 

 

テスト1:服装の色によってドライバーから見える距離は変わるか?
マネキンに反射材がついたJAF制服(上下)、黒、黒の上に反射材ベスト、青、紫、赤、緑、黄、白のトップスを着用させ、横断歩道上に1対ずつ設置し、それぞれの服装について、ドライバーの視点で人として認識できた時点での距離を測った。

 

<結果>
昼は鮮やかに見える色でも夜になると発見しにくくなる色があった。一方、反射材は遠くからでも視認しやすい。

 

 

 

 

グラフのとおり、黒や青は夜の暗闇に溶け込んでしまい、横断歩道の手前まで接近しないと人として認識できなかった。一方で、白や反射材を身に着けた服装は、ロービームでも遠くから発見されやすい結果となった。また、意外だったのは、昼間は目立ちやすい赤や緑といった色が夜間になると黒や青とあまり変わらないといった点。夜間外出時には可能な限り白っぽい服装を意識したり、反射材を身に着けておくと良い。また、夜間に運転する際は基本ハイビームで走行し、歩行者などをいち早く見つけることも重要となる。

 

 

テスト2:ペットと一緒に散歩する歩行者やペットの見え方は?
横断歩道を渡ろうとしている歩行者とペットを再現し、反射材の効果を検証した。人のマネキンは黒の服装に反射材ベスト、灰色の犬のマネキンには反射材つきのリードと首輪を用意し、着用する場合としない場合で比較した。

 

 

 

 

<結果>
反射材の効果は絶大的で、遠くからでも発見できる。

 

 

 

 

ロービーム・ハイビームともに、反射材の有無で見え方に大きな違いがあった。特に今回のテストでは人も犬も暗めの服装や毛色だったため、反射材がない場合、相当に近づかないと存在すら確認できない状態に。ドライバーに少しでも早く見つけてもらえるよう、反射材を積極的に活用することが望まれる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。