JAFは11月29日、学童用のチャイルドシート「ジュニアシート」の使用向上・普及のためにクラウドファンディングをおこなうと発表した。
このクラウドファンディングは全国に先駆けて、趣旨に賛同した佐賀県・佐賀未来創造基金と協働で実施する。
また、佐賀県での取り組みをきっかけに今後は他の都道府県での実施も検討する予定だとしている。
■ジュニアシート使用世代である5歳の使用率は半数以下
チャイルドシートは子どもの体格に合わせて使い分ける必要があり、「乳児用」「幼児用」「学童用」の3つに分類される。
6歳未満全体のチャイルドシート使用率(全国平均)(「JAF・警察庁合同チャイルドシート使用状況全国調査2019年」より)は70.5%であるが、そのうち主にジュニアシート使用が推奨されている世代である5歳は48.0%と半数以下となっており、子どもの年齢が高くなるにつれて使用率が低下する傾向となっている。
また、チャイルドシート不使用者の致死率は適正使用者の約8.1倍にものぼると言われている。
こういった状況を鑑みてJAFは、チャイルドシート使用率の低下が著しいジュニアシート使用世代に対する啓発活動の一環としてクラウドファンディングを実施することとした。クラウドファンディングを通じて全国から支援を募り、その資金をもとにジュニアシートを用意し、佐賀県の子育て世帯に提供(イベント・講習会による啓発含む)する。
■身長140cmに達するまでは、チャイルドシート(主にジュニアシート)使用を推奨
チャイルドシートは道路交通法によって6歳未満の幼児を乗車させる場合は必ず使用しなければならない。しかし、6歳であっても体格が異なり身長が高い人もいれば低い人もいる。シートベルトは大人が着用することを前提に設計されているため、身長140cm以下の場合ではベルトが首やお腹に引っかかってしまい、かえって危険なこともある。
JAFでは、「6歳になったから」とチャイルドシートの使用をやめるのではなく、子どもの体格をみてシートベルトを適切に着用できるまでの間は、ジュニアシートを使用するよう呼びかけている。
■全国に先駆けて「佐賀県」モデルで取り組みをスタート
佐賀県は人口10万人あたりの人身交通事故発生件数が2012~2016年まで5年連続ワーストであり、2019年のチャイルドシート使用率(6歳未満全体)も全国平均を大きく下回っている。そのような状況を踏まえて2019年から「SAGA BLUE PROJECT」など積極的な交通安全啓発活動を実施している。
また、佐賀県ではふるさと納税制度を活用しておこなうクラウドファンディング(ガバメントクラウドファンディング)の仕組みを有していることから、今回のジュニアシート提供支援先として「佐賀県」を選定した。佐賀県と佐賀未来創造基金と協働して支援を募り、その資金で佐賀県の子育て世帯にジュニアシートを提供する。
なお、ジュニアシート提供時には交通安全イベントや講習会をとおして取り付け・着座のレクチャーをおこない、しっかりと子どもの安全が守られるよう、保護者に対して交通安全の知識や意識づけをおこなうとしている。
■クラウドファンディング期間
11月29日(月) ~ 2022年1月31日(月)