パイオニアは、創業80周年を記念して、12月8日(土)に同社が事業所を置く埼玉県川越市で開催される「小江戸川越市民音楽祭」に協賛する。
無料で楽しめる「小江戸川越市民音楽祭」では、川越市における音楽文化の振興を目的としたもので、市内の小中学校、高校、大学や企業などの音楽団体による合唱や演奏が行われる。
パイオニアは、音を振動に変換するの“ボディソニック”(体感音響システム)を20台設置。聴覚障がいを持つ人でも音楽を楽しむことができるバリアフリーな音楽会になると云う。
なおそもそもパイオニアは、永らく聴覚障がい者を対象とした体感音響システムの開発に取り組んできた。
その歴史は同社の創業者である故・松本望会長が源流で、もとより音楽というのは空気中から伝わる音波だけが音楽のすべてではない。実際には音楽には「楽器を持つ奏者の手」「楽器を抱えている身体」を介して床や壁へと伝わる直接振動も旋律の重要要素として存在しており、これを重要な音楽要素に欠かせないものとして着目した同氏が、「ボーンコンダクション理論」の研究として開始したことから始まっている。
つまり、この直接振動は楽曲を奏でるプレーヤーと身近な距離を保って楽曲を聞く聴衆にとっては、音楽そのものの価値や感動を伝えるためのもうひとつの大事な要素であった筈なのだが、そのような「体感振動」のことを指すボーンコンダクション理論は、空気から伝わる音の伝播にこだわり抜いたコンサートホールや電子的なステレオ機などで楽曲を楽しむようになって以降、永らくないがしろにされていた。
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