NEXT MOBILITY

MENU

2019年6月24日【アフター市場】

損保料率機構、ミャンマー初の自動車保険引受データ収集に協力

NEXT MOBILITY編集部

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

 

損害保険料率算出機構(損保料率機構)はミャンマー保険協会と協力し、ミャンマー初となる自動車保険の契約・支払い状況等の今年4月分の情報、ほぼ全社分を収集した。

損害保険料率算出機構・ロゴ

ミャンマーの損害保険市場は、2012年に民間保険会社の設立が認められて以来、急速に発展。また、自動車の2018年度末の登録台数も乗用車で約63万台(対前年度比+5.3%)、二輪車で約569万台(対前年度比+8.0%)と、拡大している(*)。

 

一方、自動車保険商品の補償内容等を定める約款や、マレーシアのタリフ(保険料率表)を参考にしたとされる保険料率は、長年にわたって検証・見直しが行われてこなかった。

 

こうした状況の原因の1つとして、自動車保険の料率検証等に必要不可欠な業界横断的データ収集態勢がこれまで整備されておらず、実態が把握されてこなかったことがあげられると云う。

 

 

今回、損保料率機構は、ミャンマーにおける自動車保険の料率検証・見直しに向けたデータ収集の基盤作りをサポートするため、現在、金融庁等が進める「ミャンマー保険セクター支援計画(COMPASS/※1)」に参画。昨年9月には、JICA(国際協力機構)からの要請を受けて、ミャンマー国内の損害保険会社5社に対し、自動車保険に関する共通データの収集に向けた実態調査を行ってきた。

 

損保料率機構とミャンマー保険協会は、この実態調査の結果を踏まえ、各社が提出可能なデータを入力する統一のテンプレートの作成と自動車保険関連データの収集を共同で実施。6月4日~7日、現地でデータ収集状況を確認し、今年4月分の自動車保険の契約状況や支払い状況等の情報を記録したデータをほぼ全社分収集できたことを確認した。

 

データ収集の実現はミャンマー損害保険業界初。これにより、今後、収集したデータに基づく保険料率の検証・見直しが期待できることとなった。

 

 

損保料率機構の支援により、業界全体の自動車保険の引受成績の実態を把握する手掛かりがつかめたことに対して、ミャンマー保険協会会長Dr.サンダー・ウー氏(ミャンマー保険公社総裁)は、以下のように話している。

 

「データに記録される自動車保険の契約状況や支払い状況は、季節的な要因や、周辺環境の変化などによっても変動することから、短期間ではなく、一定期間継続的に収集することが望ましいものになります。

 

損保料率機構では、今後も現地のJICA専門家と緊密に連携し、自動車保険の料率検証・見直しに向けたより具体的なアドバイスを行うなど、引き続きミャンマーの自動車保険市場の健全な発展に貢献していきます」。

 

 

※1:COMPASS for the Future of Myanmar’s Insurance Sector(2018年6月7日手交)。日本国内の官民組織から成るこの計画は、ミャンマー保険セクターの健全な発展に貢献し、両国間のWin-Winの関係をさらに強固なものとすることを目的としていまる。この一環で損保料率機構は2017年から3回に及ぶ関連知識の向上を目指したセミナーを現地で開催。 機構のミャンマー支援は、損害保険協会がミャンマー保険協会と2017年に結んだ協力の覚書に従って行われている。

*登録台数出典(対前年度比は出典から計算):Central Statistical Organization(ミャンマー):「SELECTED MONTHLY ECONOMIC INDICATORS AUGUST(2018)」6.4 REGISTERED MOTOR VEHICLES BY TYPE

 

 

 

■損害保険料率算出機構:https://www.giroj.or.jp/

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。