自動車整備業、車両の高性能化で需要増も人材課題が深刻に
東京理科大学発スタートアップのイノフィスは6月13日、先の2024年3月に茨城県内にホンダカーズを15店舗展開するホンダ茨城南に、身体的負担を軽減するアシストスーツ「マッスルスーツSoft-Power」を2台、「マッスルスーツSoft-Light」を54台納品した。
アシストスーツは全15店舗へ配備され、整備工場などでの作業時の身体的負担軽減に貢献しているという。
イノフィスによると、ハイブリット車や電気自動車、衝突被害軽減ブレーキ等の先進安全技術をはじめ、モビリティ産業は急速に技術発展している。その中で自動車整備士は技術知識の習得は必須であるが、一方で少子化に伴う若年人口の減少、体力仕事であるがゆえの膝や腰の故障による離職など、自動車整備業の有効求人倍率は4.55と、深刻な人材不足に陥っている。
そうしたなか女性・高齢者などが生き生きと働くことができるサポートが重要だと考えたイノフィスは、少ない力でも身体的負担感を軽減できるアシストスーツを提供することにより自動車整備業の課題改善に取り組んでいる。
なお今回のアシストスーツの導入について、ホンダ茨城南の鈴木宗高 執行役員サービス部部長は、「整備士の多くは腰痛に悩まされ、時には腰痛が原因で退職する方もおり、対策が長年の課題となっていました。
作業の高さの調整を行い腰への負担がかからないような工夫を行ったりもしていますが、タイヤなどの重量物の取り扱いも多く負担軽減の必要がありました。
そこでイノフィス社の製品をトライアルしたところ、装着もスムーズであることはもちろんのこと、お客様対応時に脱着することなく、つなぎの中に着用できる点、かつ、負担軽減効果を実感できた〝マッスルスーツSoft-Light〟を、各拠点へ導入することに致しました。
現在は、主に整備工場での中腰姿勢での整備作業やタイヤなどの重量物の運搬作業などで使用しています。実際に使用しているスタッフからは、装着して作業することで腰の負担が楽になり助かっているという声を聞いています。
人材確保が難しい中、マッスルスーツを導入したことで腰痛に起因する離職防止はもちろん、腰痛防止策になればと考えています。またスタッフ満足度をあげ、弊社で働きたいと思っていただける環境、一緒に働こうと誘えるような環境作りに繋がることに期待しています」と述べた。
なおマッスルスーツSoft-Power(ソフトパワー)は、電気不要。屋内外問わず、様々な作業シーンで活躍するサポータータイプのマッスルスーツ。
マッスルスーツシリーズで培った人工筋肉のアシスト技術をサポーターの背面部に組み込むことで、サポータータイプでは最強クラスの補助力を実現。腰の負担を35%軽減させる。製造・物流倉庫での持ち上げ・持ち運び作業や、介護現場でのつらい姿勢維持、農作業の前傾姿勢など腰に負担のかかる作業で効果を発揮するとしている。
<製品特徴>
・電気不要:屋内外問わず、さまざまな作業シーンで活躍。
・しっかりとしたアシスト力:腰の負担を35%軽減。
・軽やかな着心地:狭い作業スペース、夏場の作業、動きの多い作業に最適
・価格:メーカー希望小売価格:59,400円(税込)
またマッスルスーツSoft-Light(ソフトライト)は、スーツの機能性をより身近で手軽にした服のように装着できるマッスルスーツとなっている。
荷物の持ち上げ・持ち運びや、中腰での仕事など、腰を快適にサポートすることで、様々な作業の負担を軽減する。更に優れた通気性、装着・調整・手入れの簡単さなど、毎日ずっと着られる快適性も追求しているという。
<製品特徴>
・快適な着け心地:作業者の動きを妨げない設計と、通気性に優れたメッシュ素材により長時間の装着も快適。
・軽量・お手入れ簡単:上下パーツ合わせて約460g(Lサイズの場合)の軽量設計で、装着時の負担を軽減。
・価格:メーカー希望小売価格:27,500円(税込)