ホンダは10月29日、新型の着脱式可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(以下「モバイルパワーパック e:」)」を用いたインドの電動三輪タクシー(リキシャ)向けのバッテリーシェアリングサービス事業を2022年前半に開始すると発表した。
インドでは経済発展に伴い、エネルギー需要が拡大すると同時に大気汚染が深刻化しており、国を挙げて再生可能エネルギーの活用拡大を進めるとともに、温室効果ガス排出の約2割を占める輸送部門の電動化を積極的に推進している。
中でも、800万台以上保有され、人々の日常の移動手段として欠かせない乗り物であるリキシャは、都市部では主にCNG(圧縮天然ガス)を燃料としており、電動化への重要な課題となっている。
現在の電動モビリティには「短い航続距離、長い充電時間、高いバッテリーコスト」という3つの課題がある。ホンダは、バッテリーを交換式とし、シェアリングすることでそれらの課題を解消し、電動化の加速と再生可能エネルギーの活用拡大に貢献するため、モバイルパワーパックe:を用いたリキシャ向けのバッテリーシェアリングサービス事業を2022年前半に開始する。
事業化検討にあたっては、2021年2月からインドで実証実験を行い、30台のリキシャで20万キロ以上の営業走行を実施して、課題の洗い出しや事業性の検証などを行ってきた。
リキシャ向けバッテリーシェアリングサービスは、街中に設置された最寄りのバッテリー交換ステーションで、電池残量の少なくなったモバイルパワーパックe:を満充電のものと交換できるサービス。リキシャのドライバーはこのサービスを利用することで、電池切れの心配や、充電待ちで利用客を失うリスクを大幅に軽減できる。
なお、このサービス開始にあたり、ホンダはインドにバッテリーシェアリングサービス事業を目的とした現地法人を設立して、街中にバッテリー交換ステーション「Honda Mobile Power Pack Exchanger e:(モバイルパワーパックエクスチェンジャーイー)」を設置し、モバイルパワーパックe:の貸し出しを行う。