左から、プラゴ 代表取締役CEO 大川氏、本田技研工業 執行役常務 小澤氏
本田技研工業は10月17日、プラゴと日本国内の電気自動車(EV)の利用環境向上に向け、公共充電ネットワークの拡大に関する業務提携契約とEVに充電プラグを差し込むだけで充電と決済ができるプラグアンドチャージ(PnC)システムの共同開発契約を締結した。
業務提携の背景には、ホンダが2050年のカーボンニュートラル実現に向けグローバルでのEV・燃料電池自動車(FCEV)の販売比率を2040年に100%とする目標を掲げていること。またプラゴでは日本において充電ステーションを展開し、生活や移動の動線における「シンプル・カンタン・シームレスな充電」を叶えるサービス、ソフトウェアソリューションの提供を行い、EV普及に向けた取り組みを推進していることがある。
しかし日本国内でのEVの普及のためには、更に利便性を高めた充電ネットワークの整備が求められている。そこで両社は、まずホンダは自社が持つEV・バッテリーの制御技術やコネクテッド技術を。次いでプラゴは、自社が持つ充電ステーションの開発・普及ノウハウを持ち寄り、これらを組み合わせることでEVユーザーへ便利な利用環境を提供することを目指す。
加えてホンダが主体となり、今後のEV市場の拡大に伴う充電器需要に対応し、EVユーザーの利便性を高めるべく、2030年までに数千口規模の急速充電器の設置を目指す。
より具体的には、ディーラーや商業施設などEVが多く利用される市街地を中心に充電器を設置することで、ユーザーが目的施設の利用時間に充電できる効率的な充電環境を提供する。併せてスマートフォンアプリを通じた、充電ステーションの検索、満空情報の確認、予約、オンライン決済などのサービスを提供していくという。
更にホンダは、CHAdeMO規格に準拠したEVと充電器間の自動認証を行うPnCシステムをブラコと共同体制のなかで開発する。開発が完了すれば、通常、EVを充電する際には認証などの作業をユーザーが手動で行う必要があるものが、新たなシステム導入により、充電ケーブルを接続するだけで充電ステーションの利用とオンライン決済が可能とになるという。
両社は今後販売するホンダのEVおよび設置する充電器へのPnCシステムの適用の検討を進めていク構え。実際、両社はCHAdeMO規格に準拠したPnCシステムの日本初の実証実験を既に2024年8月に完了しており、今後の実用化に向けた共同開発を推し進めていく考えだ。
本田技研工業株式会社 執行役常務 小澤 学のコメント
「Hondaは、EVを単に移動のためのモビリティとしてだけでなく、お客様や社会にとってのエネルギーシステムに進化をもたらすものと捉えています。充電するという行為を、体験や習慣的な価値として捉えてEVの普及を目指すプラゴと志を共にし、より実用的な充電環境の拡充を目指していきます」
株式会社プラゴ 代表取締役CEO 大川 直樹のコメント
「EV普及期を見据えた中長期的な視野で、強いEVブランドと事業基盤を構築することを目指しているHondaとの協業を開始できることについて、とても光栄に思います。たとえばプラグアンドチャージシステムは、まるでレジを通さずに買い物するかのようなシームレスな充電体験を実現します。プラゴは長年にわたり充電体験の開発と社会実装を推進してきましたが、このようなシンプルで生活習慣に溶け込むような体験の創造を、この協業により、さらに加速できることを実感しています」