北米の大手自動車メーカー7社による合弁事業が規制当局の認可を受ける
既に2023年7月時点で発表されていた北米のEV充電ネットワーク「IONNA」が規制当局の承認を得て2月9日( 米カリフォルニア州トーランス発 )、正式に事業を始動させた。このIONNAとは、BMW・ゼネラル モーターズ・ホンダ・ヒュンダイ・起亜自動車・メルセデス ベンツ・ステランティスの7社によるEV充電ネットワーク網の合弁事業だ。( 坂上 賢治 )
この北米全土に高出力EV充電ネットワークを構築するという同構想は、今回、最高経営責任者( CEO )に任命したセス・カトラー氏と共に、IONNAは北米で最もアクセスし易く信頼性の高い高出力充電ネットワークの1つとなることを目指ししている。
そんなカトラー氏は、ゼネラル エレクトリック ( GE ) で自らのキャリアスタートした後、EV充電インフラストラクチャーの運用・管理スタートアップのEV Connectで技術運営担当上級副社長として活躍。更にフォルクスワーゲングループ・オブ・アメリカで充電ネットワークのエンジニアリングマネージャー職を経て、IONNAのCEOに就任した人物だ。
EVの充電体験全体に革命をもたらし、EVの普及促進を支援する
カトラーCEOは、「私は自動車産業界で尊敬されている7社の自動車メーカーと協力してIONNAを率い、この北米の地で電動モビリティの未来を築けることを、とても光栄に思います。
大規模かつ高出力の充電ネットワークを構築するという当社の取り組みは、今後のEVの充電体験全体に革命をもたらし、それがひいてはEV自体の普及促進を支援していくとする当社の真摯な姿勢を表しています」と述べた。
そんなIONNAの充電ネットワークは、フードサービス、小売店、道路沿線のトイレなどの多様な施設に隣接され、いずれも可能な限りキャノピーを備えた便利な場所を設置していきたい考えだという。
NACSまたはCCSコネクタを備え、全てのEVのアクセスを可能にする
またNACSまたはCCSコネクタを備えて全てのEVがアクセスすることを可能にし、シームレスで車両に統合されたクラス最高の充電体験を提供することを目指している。
ちなみに同充電ネットワークへのアクセス、予約、ナビケーション、支払いのアプリケーション体制は、同ネットワーク網に参加する全ての自動車メーカーの車載アプリケーションとのシームレスに統合されるようになるとしている。
またIONNAの充電ステーションは、再生可能エネルギーで電力供給することを目指し、以降10年間という期間を区切って、北米全土に少なくとも30,000か所の高出力充電ステーションを確立していく構えだ。
今後の計画としては、2024年に米国で最初の充電ステーションを開設。その後、カナダへの設置拡大も計画している。こうしたネットワーク拡大計画は、参画する7つの自動車メーカーの戦略に沿い、スムーズな長距離移動の実現を視野に据えて設置されるとしている。