阪神高速は6月1日から、利用料金を改定した。おおむね一定の移動距離毎に加算されるため、長距離を走る場合に値上げとなり、都市中心部を迂回した場合は割引料金の適用される。迂回割引は、都市中心部の渋滞緩和を図る考えだ。
より具体的には、ETC(自動料金収受システム)利用の普通車で32.3キロ走行で一律1320円としていた上限料金を、以降、一定距離を走る毎に段階的に料金が上がり、上限は51.7キロで1950円になる。
また先の都市部迂回では例えば、京都・奈良・神戸と大阪南部を往来する場合、最短短距離の大阪市中心部経由の通行料金が必ずしも安価では無く、阪神高速のみの利用では、大阪市中心部を迂回する際に、指定ルートを通行することで割引が適用されるケースもある。こうした措置は都心部の深刻な渋滞問題があるためだ。
またケースによっては、都心部ルートと迂回ルートの通行料金が同額になる場合もあるものの、迂回路は都心部の渋滞を避けられるため、到着時間は迂回ルートの方が早く到着するとした試算もある。加えて午前0~4時に利用すると料金が2割引きとなる「深夜割引」も導入された。
いずれにしても料金体系の見直しは平成29年6月以来約7年振り。この料金改定に伴い阪神高速側は80億円の増収となるが、 そのうちの60億円を「都心迂回割引」措置として投下する。この時期の改定となった理由は、ETCの普及、並びに物流業界への影響を鑑み、据え置かれていた。