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2024年5月23日【MaaS】

グロービング、防爆充電器の開発を日本で初支援

坂上 賢治

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政府公表「グリーン戦略」が目指す、EV充電インフラの拡充を加速

戦略/DXコンサルティングファームのグロービング( Globe-ing )は5月23日、EVの経路充電サービス「ENEOS Charge Plus」の展開を計画しているENEOS(エネオス)のサービスステーション(SS)の充電ネットワーク拡大に向けて、防爆充電器(防爆構造適用急速充電器)の企画・開発プロジェクトを支援した。

 

その切っ掛けは、政府公表の「グリーン戦略」に於いてEV充電インフラの拡充が求められるなかで、エネオスが全国約12,000か所の系列SSへの充電器設置を進めていたことが出発点だった。

 

 

しかし元来、可燃性のガソリン等を取扱うSS拠点( 個々の店舗 )では、安全性担保の観点から高電圧が伴う充電器の設置が制限されるという固有の課題があった。

 

というのは、多くのSS拠点は敷地面積に限りがあることから、新たな設備を設けるためのスペースが足りないことがあり、その結果、SS拠点の安全性を担保できず、充電器の設置が困難なSSが多いからだ。

 

その安全性の担保とは、具体的にはSS拠点の場合、可燃性蒸気が滞留する恐れのある固定給油設備から水平方向で6m / 高さで60cm / 周囲で60cmの範囲に高圧電気を取り扱う急速充電器を置くことが禁止されている。更に通気管の先端の中心から水平方向および周囲1.5m範囲でも、充電器の設置が制限されている。

 

そこでこのようなSS固有の課題に対応するべくエネオスは、新規事業開発や様々な企業とのコラボレーションを介したプロダクト開発に知見を持つグロービングとパートナーシップ契約を締結。SSにも安全に設置・使用可能な防爆構造を有する急速充電器の開発に着手した。

 

 

その後グロービングが、事業戦略・ロードマップ策定などの戦略フェーズを重ね、プロダクト開発、ステークホルダーの選定・交渉、PMOとして全体進捗管理などの実行フェーズまでを伴走型で支援。

 

その結果エネオスは、EV充電ソリューションサービスなどを提供する台湾企業の Zerova (ゼロヴァ)と防爆仕様の急速充電器開発を検討。今回、そんな両社が懸念してきた多くの検討項目が、いずれも一定の目処がついたため、この度、急速充電用の試作機の開発に入った。

 

目下エネオスでは試作進捗の傍らで、自社サービスステーション(SS)へ、自社の経路充電サービスである「ENEOS Charge Plus(エネオスチャージプラス)」を拡充していくべく、来たる2030年度に最大1万基の充電器を設置する目標を掲げている。

 

こうした経緯を受けてグロービングは、「パートナー企業として防爆充電器の社会実装の実現を推進・支援していく」と話している。

 

 

対してエネオスでは、「今後も、全国約12,000か所のSSネットワークを活かして、EVユーザーの充電ニーズに合わせた経路充電ネットワークを拡充し、長期ビジョンに掲げる〝エネルギー・素材の安定供給〟と〝カーボンニュートラル社会の実現〟の両立に挑戦していく」と述べている。

 

グロービング株式会社
設⽴ :2021年3⽉
代表者:
 代表取締役 代表パートナー 輪島総介
 代表取締役 社⻑ ⽥中耕平
所在地:( 外苑前本社オフィス )
東京都港区南⻘⼭3丁⽬1-34 3rd MINAMI AOYAMA 11F
事業内容
・戦略/DXコンサルティング
・エグゼクティブアドバイザリサービス
・クラウドプロダクト
URL :https://globe-ing.com/

 

ENEOS株式会社
設立 :1888年(明治21年)5月10日
代表者:代表取締役社長 社長執行役員山口敦治
所在地:
東京都千代田区大手町一丁目1番2号
資本金 :300億円
(ENEOSホールディングス株式会社の100%出資)
事業内容:
・石油製品(ガソリン・灯油・潤滑油等)の精製および販売
・ガスの輸入および販売
・石油化学製品等の製造および販売
・水素の供給
URL: https://www.eneos.co.jp/

 

ZEROVA株式会社( 旧:飛宏技科日本 )
設立 2022年9月
代表者:
会長 Alex Lin
代表取締役社長 林 飛宏
所在地:
東京都 江東区 東陽3-23-24 VORT 東陽町ビル 5F
資本金 :8000万円
事業内容:
・DC急速充電装置
・AC充電器などのEV充電設備
・充電ステーション用モジュール
・フロントエンドのモバイルアプリ開発など
URL :https://www.zerovatech.com/ja/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。