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2023年12月14日【アフター市場】

GfK、「消費者が選ぶ販売店」全方位で取捨選択

坂上 賢治

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GfK Japanは12月14日、全国の約3,600人の消費者に対して自動車購入・車検・タイヤ・エンジンオイル・バッテリー交換の依頼先に係る「購入先」・「交換場所」・自動車及び自動車用品販売店に対する「印象」や「期待」についての調査を実施。その結果を公開した。

 

自動車購入
まず自動車の購入先として最も多かったのは自動車ディーラーで72%を占めた(図1)。中古車購入者では、その割合は37%に留まり、チェーンの中古車販売店(25%)や個人の自動車販売店(22%)など、自動車ディーラー以外の販売店が過半を占めた。

 

その店舗で購入した理由については、自動車ディーラー、チェーンの中古車販売店では「欲しい車があったから」が最も多く、それぞれ35%、31%であった。

 

またチェーンの中古車販売店では「車の価格が安かったから」との回答が27%と2番目に多く、価格面も重視されていることが伺える。

 

個人の自動車販売店では「車の価格が安かったから」が23%、「いつも使っている店だから」が22%とほぼ同数であり、価格だけではなくその店の馴染みがあることがポイントと言えそうだ。

 

 

車検
直近で車検を実施した場所について調査したところ、回答者3,028人のうち57%が自動車ディーラーと最も多く、次いで20%が車検・整備工場、6%がカー用品店であった。

 

その店舗で、車検を実施した理由については、自動車ディーラーで多く挙げられたのは「その店舗で車を購入したから(36%)」であったことに対し、車検・整備工場では「いつも使っている店舗だから(37%)」「費用が安かったから(35%)」であった。またカー用品店やガソリンスタンドでは「費用が安かったから」との回答が多くそれぞれ50%、61%と半数を超えた。

 

加えて「自宅から近かったから」がカー用品店では37%、ガソリンスタンドでは43%であったことから、カー用品店やガソリンスタンドでは費用と立地の側面が重視されているといえる。

 

次回の車検でも同じ店舗を利用したいか聞いたところ「利用したい」との回答は全体では57%で、特に個人の自動車販売店では65%、車検・整備工場では61%に達した(図2)。

 

 

タイヤ・エンジンオイル・バッテリー交換
タイヤ・エンジンオイル・バッテリー交換で共通する特徴として、自動車の購入から年月が経つと自動車ディーラーから他の販売店に移行することが挙げられる。

 

直近のタイヤ交換は、新車購入から3年未満ではディーラーが54%と半数を超えたが、8年以上前では36%に留まった(図3)。

 

ディーラーからの移行先としてはカー用品店が多く、新車購入から3年未満では14%であったものの、8年以上前では22%に達した。なお中古車で購入から7年以上経過した場合は、カー用品店との回答が31%と最も多く、自動車ディーラー(12%)を大きく上回った。

 

エンジンオイル交換は特に自動車ディーラーの比率が高く、全体で53%と過半を占めた。その一因として重視されるのは自動車ディーラーの「メンテナンスパックに加入していたから」で、29%が自動車ディーラーでエンジンオイル交換をした理由として挙げた。

 

カー用品店でエンジンオイル交換、バッテリー交換をした理由で「そのお店の会員になっていたから」といった回答は一定数あり、エンジンオイル交換では30%、バッテリー交換では21%と、会員制度が奏功している様子がうかがえる。

 

 

自動車・自動車用品販売店に求めること
今後、自動車購入や車検、タイヤ・オイル・バッテリー交換をする際に、利用したいお店はどのようなお店か聴取したところ「信頼できる店であること」が最も多く54%であった(図4)。

 

次いで「店員の対応が誠実であること」が39%、「車検や交換の内容をきちんと説明してくれること」「価格が明瞭であること」がともに38%であった。

 

男女別に回答比率をみると「信頼できるお店であること」は男性で53%、女性で58%、「店員の対応が誠実であること」は男性で36%、女性で47%となるなど、全般的に女性のほうが回答比率が高い結果となった。

 

これらのことから、消費者は自動車・自動車用品販売店を信頼して車を預けたい、車検や整備、交換作業について納得できる説明を得たい、という意向が読み取れる。

 

 

調査概要
■調査期間:2023年10月6日~10月10日(計5日間)
■調査対象:18~69歳の国内居住者で、新車/中古車を購入・所有し、その車を月2回以上運転する人3,625名(ノンウェイト集計)
■調査方法:インターネット調査
■回答者属性:性、年代、居住都道府県
■車関連情報:所有車情報(メーカー、ボディタイプ、新車/中古車、購入時期)、運転頻度、年間走行距離
■調査内容:自動車購入(購入場所、購入場所選択理由、費用、満足度、次回利用意向)
車検(実施場所、実施場所選択理由、満足度、次回利用意向)
法定点検(実施経験、実施場所、満足度、次回利用意向)
タイヤ交換(購入・交換場所、交換場所選択理由、満足度、次回利用意向)
エンジンオイル交換(購入・交換場所、交換場所選択理由、満足度、次回利用意向)
バッテリー交換(購入・交換場所、交換場所選択理由、満足度、次回利用意向)
自動車業界への関心事、販売店の印象変化、販売店に求めること

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。