画像内の傷や凹みを自動検出、自動車査定や建築物の損傷評価にも応用可能
エクサウィザーズ(東京都港区、代表取締役社長:春田 真)は12月6日、画像から領域ごとの状態を自動識別するAIモデルおよび同モデルを活用した自動車の外装検品自動化システムを開発した。
これにより、従来人間が目視で行っていた検品作業や品質管理などの業務を効率性と均質性の両面から高度化することが可能になる。
なおエクサウィザーズによると、同AIモデルの開発では、独自AIモデル開発に至る一連のプロセスを短期間で実現しているため、今後は、自動車査定や建築物の損傷評価等、他の様々な領域でも用途に適したAIモデルのスピーディーな開発が行えるとしている。
今回、開発した外装検品自動化システムでは、一般的なカメラで車の周囲を撮影・アップロードするだけで、AIがパーツ毎の傷や凹みを自動検出する。画像と共に車のメーカー名、モデル名、グレード名などの情報を同時にアップロードすることができ、精緻な識別も可能という。
システム開発では「環境と調和する社会をつくる」というテーマに基づき、三井物産(鉄鋼製品本部)との協業により、自動車のリサイクル・リユース領域での活用検討を進めている。
従って自動車のリサイクル・リユース領域での検品作業を自動化することで、検品担当者の負荷を軽減すると共に、経験や技術の違いによる検品結果の揺らぎをなくし、効率性と均質性の両面から同業務の高度化実現を目指すと話している。
自動車の外装検品自動化システムの操作手順説明は以下の動画の通り
開発したAIモデルは、外装検品以外の領域でも応用検討中であるものの、現段階では自動車の査定や建築物の損傷評価などでの活用を想定している。こうした自動車の査定業務に応用展開した場合、自動車オーナーと査定事業者の双方に於いて公正かつ効率的な査定の実現が期待できる。
・自動車オーナーのメリット
AIが検出した損傷情報を画像データと統合してデータベースに保存するため、車両引き渡し後の査定環境において意図しない損傷が生じた場合にも検知が可能。そのため、より公正な査定を受けることが可能となる。
・査定事業者のメリット
専門知識を有したスタッフや大規模な設備・システムの導入を必要とせず、車両の査定を実施することが可能になる。これにより効率性と均質性の両面から業務をより高度化することが可能となる。
・その他のユースケース
AIモデルは、様々なソフトウェアやシステムに組み込んで活用することを想定している。具体的には、以下のような業界で柔軟に対応可能としている。
・自動車:車体や部品の損傷チェック、リース車両の状態評価、事故車の損傷調査。
・建築・建設:構造物の健康診断、地震などの自然災害後の建築物の損傷評価。
・航空: 飛行機の外部損傷検出、エンジンやタービン部品の状態評価。
・製造:製品の品質検査、生産ラインでの欠陥部品の検出による管理作業。
・インフラ:定期的な状態識別の自動化による点検業務。
エクサウィザーズでは、「今後、社会全体の利益に寄与する様々な領域に於いて本AIモデルの活用を積極的に進め、これまで人間が目視により対応していた検品作業や品質管理などの業務を効率性と均質性の両面から高度化することを通じて、日本企業全体の生産性向上をはじめとした社会課題の解決に向け取り組んでいきます」と話している。
会社名:株式会社エクサウィザーズ(証券コード4259)
所在地:東京都港区東新橋1丁目9−2 汐留住友ビル 21階
設 立:2016年2月
代表者:代表取締役社長 春田 真
事業内容:AIを利活用したサービス開発による産業革新と社会課題の解決