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2024年8月19日【MaaS】

電動モビリティシェアの「Lime」日本でサービス開始

坂上 賢治

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電動モビリティシェアリングサービスを展開するLimeは8月19日、電動マイクロモビリティシェアリングサービス「Lime(ライム)」を日本国内で開始する。そんなLimeは、街中に設置されたポート(駐輪場)の電動マイクロモビリティを、専用のアプリから予約し、目的地の近くのポートへ返すシェアリングサービス。

 

同社は全世界で920万人のユーザへサービスを提供しているが、日本に於いても市民や観光客に対するビジネス機会を伺い、東アジアで初・世界32か国目のサービス展開を決めた。

 

先の通り、世界280都市以上でサービス展開する同社であるが日本では、立ち乗りの「電動キックボード」だけでなく、当地に於けるシニア層も取り込むべく「座って乗る電動シートボード」もラインナップに加えた(いずれもLimeのGen4.1シリーズ製品だとしている)。

 

併せて、ヘルメットを被った自分の写真をアプリ経由で送ることで料金の割引など特典が受けられる業界初の安全強化策「ヘルメットセルフィ」機能も提供する。

 

 

その他の車両の特徴は、安定性を高めるべく車輪のサイズを、一般的な電動パーソナルモビリティと比較して150%大きくしていること。これは縁石に乗り上げても危険を回避しやすいような配慮をした。併せてLimeの旧型車両より車体の重心を低くすることで安定性も高めた上で、いずれも日本自動車輸送技術協会(JATA)により(特定小型原動機付自転車として)保安基準適合性等の確認を受けている。

 

ちなみに同社は、シェアリング向け車両を自社開発しており、世界280都市以上で利用データが収集できることが強みだ。そうした各都市の道路事情やユーザ特性や関係法令などの地域毎のデータを汲み取りつつ、車両やサービスの開発に活かしている。

 

日本国内に於ける当初のサービス展開は、東京都渋谷区、新宿区、目黒区、世田谷区、豊島区、中野区の6エリアの40以上のポートで計200台の電動マイクロモビリティを提供。今後は順次拡大していく予定としている。

 

各地域のポートは、オフィスビルや駐車場の空きスペースを活用して順次拡大していく構え。まずは小規模に事業を立ち上げ、日本で安全かつ責任あるサービスを提供するための運営能力や専門性を高めつつ、段階的にサービスを拡充するスタンスだという。

 

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同社では、「Limeは、電動キックボードをはじめとする電動マイクロモビリティのサービスを提供する世界最大の企業であり、「Build a future where transportation is shared, affordable and carbon-free(電動マイクロモビリティが公共交通手段として発展し、カーボンフリーでサステナブルな未来をつくる)」というミッションを掲げています。

 

電動マイクロモビリティが、手頃に電車やバスのように誰もが気軽に使える新たな公共交通手段として社会インフラ化することで、日本が抱える社会課題、例えば「脱炭素」への取り組みや「ファーストマイル・ラストワンマイル」の交通手段が無いことで移動できず不便な生活をされている方への対応、交通渋滞や駐車場不足問題の解消などにも一翼を担うと考えています。

 

Limeは電動マイクロモビリティをただの乗り物ではなく、誰もが使える公共交通手段として育てていきたいと考えています。日本でのサービス提供にあたっては、地域の特性やニーズに合わせたカスタマイズを行い、最も安全に配慮した快適な車両とサービスを提供することを目指しています。また、地方自治体や交通事業者、民間企業などとの連携を積極的に進め、日本での電動マイクロモビリティの普及に貢献してまいります。

 

そんな当社が最も重視しているのは安全に対する取り組みです。安全性に最大限配慮した車両設計であることはもとより、ユーザの安全に対する教育、交通規則の正しい理解促進と啓発に努めていきます。

 

また現在は努力義務となっているヘルメットの着用について、着用率を高めることを目的とし、万一事故が発生した際にも頭を守ることができるよう対策を行います。

 

ユーザが携帯電話のセルフィ機能を用いて、ヘルメットを被った自分の写真をアプリを通じて送ることで、料金の割引など各種特典が受けられる、業界初の「ヘルメットセルフィ」制度を採用し、安全への取り組みを強化しました。

これらの対策は、ユーザを事故から守り、安全な乗車を実現するために必要であると考えており、行政や警察、様々な企業とも連携しながら広く安全に対する啓発活動を実施していきます。

 

Limeは安全で丁寧なサービスを重視していますが、Limeのサービスを悪用したり、継続的な交通ルール違反のあるユーザには、違反金、利用停止、退会措置などで厳しく対処します」と話している。

 

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車両の仕様と諸元は以下の通り

 

 

電動キックボード
型式:Lime S4.1
種類:電動キックボード
総重量:34.0Kg
寸法:
 長さ:135cm
 幅:59cm
 高さ:118cm
最高速度:
 通常モード 20km/h
 歩行モード 6km/h
定格出力:400.6W
バッテリー:
 公称電圧:51.66V
 容量:18.3mAh
駆動方式:後輪駆動
タイヤ種類:空気入りゴムタイヤ
タイヤサイズ:
 前輪:60/80-6.5
 後輪:70/65-8.0

 

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電動シートボード
型式:Lime S4.1 with seatkit
種類:電動シートボード
総重量:40.0Kg
寸法:
 長さ:138cm
 幅:60cm
 高さ:119cm
最高速度:
 通常モード 20km/h
 歩行モード 6km/h
定格出力:400W
バッテリー:
 公称電圧:51.66V
 容量:18.3mAh
駆動方式:後輪駆動
タイヤ種類:空気入りゴムタイヤ
タイヤサイズ:
 前輪:60/80-6.5
 後輪:70/65-8.0

 

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サービス概要
サービス名:Lime(ライム)
サービス提供開始日:2024年8月19日(月)
サービス提供地域:渋谷区、新宿区、目黒区、世田谷区、豊島区、中野区(2024年8月時点)
ポート数:40か所以上(2024年8月時点)
車両数:合計200台(2024年8月時点)

 

利用料金
LimePass:
・30分パス(30分/1日):490円
・60分パス(60分/3日):890円
・160分パス(160分/7日):1,980円
・300分パス(300分/30日):3,480円

 

通常料金:
・基本料金100円+30円/分
※サービス開始特別キャンペーン:2024年9月末まで、通常料金の場合は基本料金不要の30円/分で利用できる。
※「ヘルメットセルフィ」機能を通じてヘルメット着用が確認できた場合、都度の通常料金から15%割引で乗車できる。

 

利用方法
Limeアプリをダウンロードし、アプリから車両を予約して乗車する。Limeのポートであればどこでも返却可能。
アプリのダウンロードは以下URLの通り
https://limebike.app.link/LimeWebsiteAppDownloadMM
その他
・乗車する場合、必ずアプリから安全教育を受講する必要がある。その上で事前テストを受け、全問正解して初めて乗車可能となる。

 

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会社概要
会社名:Lime株式会社 (英語表記 Lime, K.K)
代表者:カントリーマネージャー兼アジアパシフィック地域統括責任者 テリー・サイ
所在地:〒105-0001 東京都港区虎ノ門4丁目3番1号
    城山トラストタワー9階東京赤坂法律事務所・外国法共同事務所内
設立:2019年8月15日
資本金:1億円(2024年8月19日現在)
URL:https://www.li.me/ja-jp/
事業:電動モビリティのシェアリングサービス

 

 

グローバル本社 会社概要
会社名:Neutron Holdings, Inc. (ニュートロン・ホールディングス・インク)
代表者:CEO Wayne Ting(ウェイン・ティン)
所在地:85 Second Street, San Francisco, CA 94105
設立:2017年
URL:https://www.li.me
事業:電動モビリティのシェアリングサービス

 

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・アプリダウンロード:https://limebike.app.link/LimeWebsiteAppDownloadMM

・Limeサービスページ:https://www.li.me/ja-jp/

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。