NTTドコモは7月13日、国内トップシェアのタクシー配車アプリ「JapanTaxi」「MOV」の他、交通事故削減支援サービス「DRIVE CHART」を展開するMoT社(Mobility Technologies)と資本・業務提携契約を締結したと発表した。(坂上 賢治)
投じる資本は、MoT社が第三者割当増資により発行する株式をドコモが当初出資100億円で取得。これにMoT社のキャピタルコール行使などによりドコモがさらに追加100億円の出資を実行した場合、その最大取得総額が200億円に達する可能性がある。
投資先のMoT社は、2020年4月にディー・エヌ・エーの「MOV」「DRIVE CHART」とJapanTaxiの事業を統合。社名をJapanTaxiからMobility Technologiesとした企業だ。ドコモは、保有する会員基盤や決済サービス「d払い」のビジネスの拡大、MaaSの発展やスマートシティを見据えたデータビジネスや自動運転などにおける事業化検討を目的に据えている。
そもそもドコモは、予てより中期戦略「beyond宣言」に基づき次世代モビリティ事業を標榜。タクシー乗車需要を予測する「AIタクシー」や、リアルタイムに発生する乗降リクエストに対してAIを活用して最適なルートと車両を算出し効率的な配車を可能とする「AI運行バス」、さらに「ドコモバイクシェア」や「dカーシェア」などモビリティ分野で多彩なサービスを繰り出してきた。
また2018年7月には、MoT社の前身JapanTaxiと資本・業務提携契約を締結。「JapanTaxi」アプリや、QRコード決済機能を搭載した広告タブレットにドコモの「d払い」を導入。ミニアプリでの連携、「AIタクシー」の実証実験など、双方の価値向上を目指す取り組みを行ってきた経緯がある。
これらを踏まえて今提携を契機に、MoT社の配車アプリと「d払い」などの決済サービスと連携。双方の事業を拡大させていくべく、次世代に向けたMaaS事業を大きく発展させていく構えだ。ドコモでは「今後もドコモは、新たなモビリティ社会の創造により一層貢献するための取組みを推進してまいります」と結んでいる。