デンソーは11月5日、トラックに搭載されているデンソー製冷凍機を遠隔監視し、異常を即時検知して通知するサービスとして、「D-FAMS(ディー・ファムス)」を開発したと発表した。同サービスは、デンソーソリューションにより、2021年春に予定している本格販売に向けて、数量限定の先行販売を開始する。
近年、電子商取引はますます拡大し、冷蔵・冷凍商品の配送需要も高まっている。一方で、乗務員や運行管理者の業務負荷が高い運送業界においては、人手不足が課題になっている。特に冷蔵・冷凍商品の配送では、運転だけでなく冷凍機の監視・管理にも人手が必要である。
今回デンソーが開発した「D-FAMS」は、トラックに搭載されている冷凍機を遠隔から監視・管理し、適切なメンテナンスの時期や、従来は乗務員しか気づくことができなかった故障や異常を検知し、通知するサービス。冷凍機の稼働情報をサーバーへ送信する機器を冷凍機に後付け装着し、機器からの稼働情報をもとに、デンソーの冷凍機サービスセンターにて監視を代行する。運行管理者においては、「D-FAMS」を利用することで、冷凍機の故障や異常のタイムリーな検知が可能になり、その後の迅速な修理によって、車両が使えない時間や配送商品の品質劣化を低減することができる。
これまでデンソーは、冷凍機の販売・修理を行ってきたが、「D-FAMS」の開発により、監視を含めた一貫したサービスの提供が可能になった。今後は長年培った冷凍機の知見と、AI技術やデータ分析技術をかけあわせることにより、故障が起こる前の異常予知・予測などの新機能を「D-FAMS」に順次追加することを予定している。また、遠隔監視技術をバス用エアコンにも拡大し、国内外に展開していくとしている。