デンソーは1月18日、バッテリー式電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)向け双方向給電装置「V2H(Vehicle to Home)充放電器」に係る次世代モデル(DNEVC-SD6075)の受注を、デンソーソリューションを通じて3月中旬より開始する。
近年、車両の電動化が急速に進んでおり、新車販売台数に占めるBEVやPHEVの比率の拡大が予想されている。
そこで、このような動きを受けて電気料金の安い夜間に車両を充電し昼間に使用することで電気料金を節約でき、更に停電時に車両に貯めた電気を住宅で活用できるV2H充放電器への需要が高まっていることに着目。
同社は、この動向に先んじ、2010年から経済産業省の「次世代エネルギー・社会システム実証事業」の一環でV2H充放電器の開発に取り組んでいた。実際、2019年には同社初のV2H充放電器を発売。今回は更に設置の自由度や使い勝手、性能を向上させた次期モデルの受注を開始する。
[主な改良点]
・セパレート化と小型軽量化
パワーユニットとプラグホルダをセパレート化することで、設置の自由度と使い勝手を向上。また、重さ約91kgの前モデルに対して、次期型は約34kgと約63%軽量化を実現。これにより、車両周辺への据置きに加えて外壁への設置も可能とした。
・停電時の運転切り替えを自動化
V2H充放電器を用いることで、停電発生時にはBEVやPHEVを非常用電源として活用可能。前モデルでは、BEVやPHEVに貯めた電力で停電中の自宅内の電化製品を使うためには、V2H充放電器と車両双方を手動で切り替える必要があったが、次期型ではこの切り替えを自動化した。
・充放電性能を効率化
V2H充放電器は、家庭の交流電流を直流電流に変換して車両へ充電し、車両の直流電流を交流電流に変換して家庭へ放電する電気機器であり、交流⇔直流の変換時には電力の損失が生じる。次期モデルでは、この変換損失を低減。出力電力が比較的少ない軽負荷時に於いて、充放電性能の効率を約10%向上したことで、より無駄なく電気エネルギーを使えるようになった。
<製品仕様> ※()内は前モデルの仕様
– 型式:DNEVC-SD6075(DNEVC-D6075)
– 外径寸法(WxHxD mm/突起部含まず):
・パワーユニット:470x620x200
・プラグホルダ:160x355x160
(パワーユニット+プラグホルダ:809×855×337)
– 重量(kg):
・パワーユニット:26.2
・プラグホルダ:7.9
(パワーユニット+プラグホルダ:約91)
– 出力:
・連系時:6kW未満(同値)
・自立時:6.0kVA未満(同値)
– 冷却方式:自然空冷(外部ファンを用いた強制空冷)
– 設置環境:屋外 -20℃~+50℃ 耐塩仕様・重塩害対応品もオプション設定可(屋外 -20℃~+40℃ 耐塩仕様)
– 防塵防水性能:IP55(IP46 換気部除く)