2005年に創業した台湾大車隊は、現在1万9000台のタクシーを運行し、一日あたりの乗客数は約35万人。現地のマーケットシェアが約20%に達する台湾最大手のタクシー会社。
同社が運営する55688アプリは、会員数300万人・ダウンロード数400万回を誇り、10種類以上のモバイル決済方法を取り入れる等、新しいテクノロジーを積極的に取り入れている企業だ。
一方、大和自動車交通は、1939年創業で国内4大タクシー会社のひとつ。
近年は、IoTやAIを活用した新サービスについて様々な取り組みを行っており、タクシー会社5社やソニー等と共に新たなタクシー関連サービス事業会社「みんなのタクシー」を設立したり、国際自動車との共同運用アプリによる変動迎車料金サービスの実証実験を行う等の実績を持つ。
両社は予てより、台湾からの観光客が台湾大車隊55688アプリを使い、日本の空港送迎や観光タクシーを予約するサービスについては、2018年8月より連携を開始。
その後、同年9月以降に大和タクシー配車アプリを台湾現地で使用できるか否か等の実証実験を重ね、今回の業務提携に至っている。
記者会見の中で、台湾大車隊の李総経理は、今回の提携について、
「(2,017年実績で)約460万人に登る台湾からの訪日観光客は、台湾では(台湾大車隊の)大切なお客様。それらの方々により便利なサービスを提供する」
ことが主な目的だと語る。
また、大和自動車交通の前島社長は、訪日観光客全体の約60%に登る中国や韓国、台湾等からの旅行客に向けて、自社タクシーの利用機会を増やすために、兼ねてよりアジア各国との連携を模索してきたが、
「中でも一番積極的に取り組んで頂き、スムーズに話が進んだ」
台湾大車隊と、まずは最初の提携をすることにしたという。
また、前島氏は、今回の台湾大車隊との提携は同社が目指す海外企業との連携の第一歩で、
「中国や韓国、タイ等のアジア諸国の企業を中心に、連携の幅を広めていきたい」
と今後の抱負も語った。