ダイハツは、定期的なクルマの点検・整備時に、整備士の音声を認識し、点検結果が自動入力されるシステムを新開発し、販売会社での正式導入を開始した。
ダイハツでは、少子高齢化などにより、整備士の人材不足が喫緊の課題となっている近年の自動車整備業界で、点検・整備の時間短縮や精度向上を図り、限られた人員で効率的な点検・整備を行うとともに、サービス品質を向上させることを狙い、同システムを開発したとしている。
これまで整備士は、必要な点検・整備を行うに当たり、都度所定の記録簿に結果を手書きで記入。これに加え、顧客への報告の書類の作成などにも時間を要していた。
今回導入した新システムでは、整備士はウェアラブルマイクを装着、専用のタブレット端末を用いて点検・整備を行う。
このシステムでは、予め設定した順番で点検項目が読み上げられ、整備士はそれに従い点検を実施し、「良好」「交換の必要あり」など点検結果を発話すると、内容が自動的に記録されると云う。
またボルトの締め付け時など、デジタルトルクレンチを用いた作業の場合は、その数値も自動記載されるため、トレサビリティの向上にもつながるとしている。
さらに顧客に報告する点検結果シートもワンタッチで作成、印刷することが可能。次回の点検時期も記載することで、継続的に来店してもらうよう促すことができる仕組みとなっていると云う。
新システムは、販売会社にて約1年間の実証実験を行い改良を重ねた上で、今回、高知ダイハツ販売の南国店(2018年2月3日新装開店)で正式導入されることとなった。
ダイハツは今後、同システムを全国に展開することで、サービス作業の効率化と品質向上を実現し、スピーディで安心感のある点検整備を通し、ユーザーにとって「かかりつけ医」のような、身近で安心できる存在として店舗を活用してもらい、より満足されるアフターサービスの確立を目指したいとコメントしている。