CYBERDYNEと損害保険ジャパン日本興亜は、サイバニクス技術(※1)とリスクファイナンスの融合による、健康で豊かな社会システムの構築を目的とした包括的業務連携に関する協定を10月25日に締結したと発表した。
1.提携への背景と目的
CYBERDYNEは、人とロボット(機械)と情報を融合複合したサイバニクス技術によって超高齢社会が直面する課題を解決するため、世界初のサイボーグ型ロボット「HAL®」をはじめとするサイバニックシステムを開発。「Society5.0(※2)(超スマート社会)」および「重介護ゼロ®社会」の実現に取り組んでいる。
一方、損保ジャパン日本興亜社は、損害保険事業を中心に、介護やヘルスケア事業などの領域をグループで展開し、幅広い事業展開やデジタル技術の活用により、「安心・安全・健康」な社会を目指している。
両社は、この提携により、CYBERDYNEのサイバニクス技術と、損保ジャパン日本興亜社およびそのグループ会社により提供されているサービスを融合させ、重症者・重介護者を低減し、健康で豊かな社会システムの構築に貢献することを目指す。
また、この包括的業務連携は、革新的テクノロジーを有するCYBERDYNE社と、ファイナンスやインフラを有する損保ジャパン日本興亜社が連携することにより、我が国が掲げる「Society5.0(超スマート社会)」の実現に貢献できると判断し、合意に至ったものだと云う。
※1 サイバニクス技術:人・ロボット・情報系が融合複合した「サイバニクス」という新領域の技術。医療、介護福祉、生活(職場環境を含む)分野を対象とし、人と情報系とロボット系を機能的に繋ぎ、物理的・情報的・生理的インタラクションを実現する。サイバニクスは、筑波大学山海嘉之教授(CYBERDYNE 社長)が創成し、「Society 5.0」を牽引するコア技術領域でもある。
※2 Society5.0 : 「狩猟社会」「農耕社会」「工業社会」(Society1.0、2.0、3.0)、そして、現在の「情報社会」(Society4.0)に続く未来社会として政府によって掲げられた「超スマート社会」(5番目の社会)のコンセプト。科学技術イノベーションが先導する新たな社会のイメージで、AI(人工知能)や IoT (モノのインターネット)等が本格的に社会実装される。第 5期科学技術基本計画で日本が世界に先駆けて実現を目指すことが盛り込まれた。同コンセプトは、2016年5月に開催されたG7先進国首脳会議の議長国・日本からも提唱、人とテクノロジーが共生する未来社会の姿としても世界に発信されている。
2.主な取組み内容(予定)
(1)サイバニクス技術を活用した次世代型介護福祉サービスの提供
(2)企業、健康保険組合等を通じたサイバニクス技術を活用した次世代型健康増進サービスの提供
(3)外傷等により重症となった損害保険の契約者(被保険者)に対する次世代型自立促進サービスの提供
(4)自動車運転者に対するサイバニクス技術を活用した新しいサービスの提供
(5)上記(1)から(4)に関連するサイバニクス技術とリスクファイナンスの融合
3.包括的業務連携の今後
両社は、今回の包括的業務連携を機に、新たな事業を共同で検討し、各種次世代型サービスの開発・提供を通じて、「Society5.0(超スマート社会)」の実現に貢献していく。