電脳交通は10月25日、新潟県加茂市(以下「加茂市」)が実証実験として実施するデマンド型タクシー「のりあいタクシー」の運行を支援すると発表した。
実証実験は、エヌシーイー(以下「NCE」)、NTTドコモ(以下「ドコモ」)、電脳交通が3社共同で支援し、加茂市の公共交通を見直すことで高齢者や通学者らの利便性の確保をめざす。
今回運行開始する加茂市の「のりあいタクシー」は、自宅前や病院、学校や駅など、運行ルールに沿ってどこでも乗り降りできる乗り合いタクシーで、予約に合わせた最適なルートでの配車が可能となっており、加茂市全域において土日を含め毎日運行する。
地域交通インフラの運営経費縮減が求められるなか、従来運行していた市民バスの路線再編と同じタイミングで運行を開始し、市民バスを減便して、「のりあいタクシー」を運行することで、加茂市の交通インフラを効率化する。
人口が広く点在する地域などで非効率な運行となっていた市民バスから、予約制の乗り合いタクシーに転換することで、市民の生活の足として持続可能な公共交通の検証を行い、今後は利用者のニーズを踏まえた改善を加えながら、2022年以降の本格運行をめざす。
実証実験では、利用者は利用開始時間の1時間前までにWebまたは電話で予約することが可能。1台あたりの定員は最大4人で、運賃は200円からとなっており、バス停に向かうよりも利便性が高く、利用距離に応じた運賃設定となっている。
また、タクシーの配車には、電脳交通が提供する「公共タクシー配車システム」を活用。利用者からの予約情報を受けて、タクシー内のタブレットに運行ルートと乗降時間が送信されるため、タクシー会社の配車負担が軽減される。通常のタクシー事業に加え、減便された市民バスから乗り合いタクシーへ移行することにより、タクシー会社は乗客増が期待できる。
■加茂市の「のりあいタクシー」実証実験および取組み概要
1.目的
タクシーを活用した持続可能な公共交通の検証
2.実証内容
地域におけるデマンド型乗り合いタクシーの有用性の検証
3.実施期間
2021年10月25日(月)~2022年3月31日(木)
4.運行エリア
新潟県加茂市全域
5.実証実験の流れ
<利用者>
(1)乗車したい便の1時間前までにWebまたは電話でコールセンターに予約
(2)予約した乗車場所で待つ(自宅も含め加茂市内どこでも選択可能)
(3)降車時に運賃を支払う
<コールセンター>
(1)利用者から予約が入ると、コールセンターにて乗り合いおよび配車の調整を行う
(2)各タクシー会社へ配車依頼
<タクシー>
(1)配車依頼をタクシー車両に搭載されているドライバー用配車タブレットで受信
(2)指定の車両でデマンド運行を行う
<利用イメージ>
6.各社の役割
NCE:加茂市の交通計画見直し、運行に向けた事業者調整、市民向け説明会の資料作成、広報企画
ドコモ:公共タクシー配車システムの導入サポートおよび運用管理、タブレット端末および通信回線の提供
電脳交通:オペレーターによる配車受付・公共タクシー配車システムによる配車指示、運行実績データ収集