デンソーは10月23日、スマートフォンで運転をスコアリングするアプリケーション「yuriCargo®(ゆりかご/yuriCargo)」の主要機能を他のアプリケーションに容易に取り入れることができる「yuriCargo® SDK(yuriCargo SDK)」と、APIを通じてデータをアプリケーション間で連携させられる「yuriCargo® API(yuriCargo API)」の提供を企業や自治体向けに始動させた。また、これを受けてイーデザイン損害保険は、同社が〝共創する自動車保険〟と銘打つ「&e(アンディー)」のアプリケーションにデンソーの技術を導入することを明らかにした。
イーデザイン損保が今回、「&e(アンディー)」に同技術を導入した背景は「事故時の安心だけでなく、事故のない世界そのものを、お客さまと共創する。」をミッションに掲げる同保険商品に沿うものだからだという。
それは万一の事故時に安心を届けるだけでなく、日常の運転時に事故を防ぐソリューションが提供できることに着目。&eのアプリケーションは、yuriCargo SDKの情報を活用し、ドライバーに運転の改善や事故連絡を促す。
実はそもそも既存の&eのアプリケーションでも、自動車に取り付けたセンサーから運転データを取得していたのだが、今回のyuriCargo SDKを組み込むことにより、車載センサーの設置が不要となり、&eのアプリケーション導入の障壁が大きく下がって、ユーザーの利便性向上が期待できるようになった。
併せてイーデザイン損保は、自治体、企業、顧客と共に事故データや走行データを活用した事故削減のための取り組みを展開していく構え。実際、その一環として、デンソーと安心・安全なまちづくりを目指す「刈谷市yuriCargoプロジェクト」にも参加した。
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加えてデンソーが提供するyuriCargo APIでも、アネストシステムのアルコールチェック管理支援システム「BSS for ALC」で採用されることが決定している。
BSS for ALCは、社員の運転前後のアルコールチェック結果を管理する企業向けシステムで、BSS for ALCとyuriCargoがデータ連携することで、アルコールチェックの履歴だけでなく、安全運転スコアなどの運転データも併せてBSS for ALCの管理画面上で記録・確認することができるようになるもので、この結果、ドライバーの安全管理の一元化が実現した。
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yuriCargo SDK・APIの概要図
ちなみにデンソーが開発したyuriCargoの詳細な仕組みは、スマートフォンに内蔵されている加速度センサーやGPSなどの情報を用いて、自動車による移動を自動で検知。運転データを収集・分析するもの。
より詳細には、急アクセルや急ブレーキ、最高速度を判定し、運転終了後に運転をスコアリングすることで、安全運転意識を高めるアプリケーションとなっている。
利用ユーザーは、スマートフォンにyuriCargoをインストールするだけで手軽に利用できる。デンソーは2020年にyuriCargoを開発。2021年からは、自治体と共にyuriCargoで記録された運転データを活用し、急アクセルや急ブレーキが発生し易い場所の特定や速度超過状況の可視化に取り組み、安心・安全なまちづくりに貢献してきた。
そうしたなかでデンソーは、yuriCargoに関する新たなサービスとしてyuriCargoの機能を他のアプリケーションに組み込むことができるyuriCargo SDKと、APIを通じてデータをアプリケーション間で連携するyuriCargo APIの2種類のサービス提供を開始したという経緯だ。
これらデンソーからの提供サービスを採用した企業や自治体は、自らが運用するアプリケーションのユーザーにyuriCargoの持つ運転データの収集・分析とスコアリング機能を提供することが可能となる。
また、CO2排出量の推定や自動車の起点と終点を調査するOD(Origin-Destination)調査など、交通安全に限定しない新たなユースケースでも利活用することができる。
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最後にデンソーは、「今後もサービスの改良や機能追加を重ねることでyuriCargoの提供価値を高めると共に、交通事故死亡者ゼロの実現に向けて、志を同じくする企業・自治体の皆さまと共に、ドライバーの安全運転意識の向上や運転データを活用した安心・安全なまちづくりに貢献します。
また交通安全に限定しない、モビリティ社会に求められる新たなユースケースを生み出し、社会課題の解決に取り組んでいきます」と結んでいる。
*「yuriCargo」「yuriCargo SDK」「yuriCargo API」の詳細は以下URLを閲覧されたい。
https://yuricargo.com/