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2024年10月23日【IoT】

共創する自動車保険「&e」、デンソーの運転分析技術を導入

坂上 賢治

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デンソーは10月23日、スマートフォンで運転をスコアリングするアプリケーション「yuriCargo®(ゆりかご/yuriCargo)」の主要機能を他のアプリケーションに容易に取り入れることができる「yuriCargo® SDK(yuriCargo SDK)」と、APIを通じてデータをアプリケーション間で連携させられる「yuriCargo® API(yuriCargo API)」の提供を企業や自治体向けに始動させた。また、これを受けてイーデザイン損害保険は、同社が〝共創する自動車保険〟と銘打つ「&e(アンディー)」のアプリケーションにデンソーの技術を導入することを明らかにした。

 

イーデザイン損保が今回、「&e(アンディー)」に同技術を導入した背景は「事故時の安心だけでなく、事故のない世界そのものを、お客さまと共創する。」をミッションに掲げる同保険商品に沿うものだからだという。

 

 

それは万一の事故時に安心を届けるだけでなく、日常の運転時に事故を防ぐソリューションが提供できることに着目。&eのアプリケーションは、yuriCargo SDKの情報を活用し、ドライバーに運転の改善や事故連絡を促す。

 

実はそもそも既存の&eのアプリケーションでも、自動車に取り付けたセンサーから運転データを取得していたのだが、今回のyuriCargo SDKを組み込むことにより、車載センサーの設置が不要となり、&eのアプリケーション導入の障壁が大きく下がって、ユーザーの利便性向上が期待できるようになった。

 

併せてイーデザイン損保は、自治体、企業、顧客と共に事故データや走行データを活用した事故削減のための取り組みを展開していく構え。実際、その一環として、デンソーと安心・安全なまちづくりを目指す「刈谷市yuriCargoプロジェクト」にも参加した。

 

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加えてデンソーが提供するyuriCargo APIでも、アネストシステムのアルコールチェック管理支援システム「BSS for ALC」で採用されることが決定している。

 

BSS for ALCは、社員の運転前後のアルコールチェック結果を管理する企業向けシステムで、BSS for ALCとyuriCargoがデータ連携することで、アルコールチェックの履歴だけでなく、安全運転スコアなどの運転データも併せてBSS for ALCの管理画面上で記録・確認することができるようになるもので、この結果、ドライバーの安全管理の一元化が実現した。

 

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yuriCargo SDK・APIの概要図

 

ちなみにデンソーが開発したyuriCargoの詳細な仕組みは、スマートフォンに内蔵されている加速度センサーやGPSなどの情報を用いて、自動車による移動を自動で検知。運転データを収集・分析するもの。

 

より詳細には、急アクセルや急ブレーキ、最高速度を判定し、運転終了後に運転をスコアリングすることで、安全運転意識を高めるアプリケーションとなっている。

 

 

利用ユーザーは、スマートフォンにyuriCargoをインストールするだけで手軽に利用できる。デンソーは2020年にyuriCargoを開発。2021年からは、自治体と共にyuriCargoで記録された運転データを活用し、急アクセルや急ブレーキが発生し易い場所の特定や速度超過状況の可視化に取り組み、安心・安全なまちづくりに貢献してきた。

 

そうしたなかでデンソーは、yuriCargoに関する新たなサービスとしてyuriCargoの機能を他のアプリケーションに組み込むことができるyuriCargo SDKと、APIを通じてデータをアプリケーション間で連携するyuriCargo APIの2種類のサービス提供を開始したという経緯だ。

 

 

これらデンソーからの提供サービスを採用した企業や自治体は、自らが運用するアプリケーションのユーザーにyuriCargoの持つ運転データの収集・分析とスコアリング機能を提供することが可能となる。

 

また、CO2排出量の推定や自動車の起点と終点を調査するOD(Origin-Destination)調査など、交通安全に限定しない新たなユースケースでも利活用することができる。

 

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最後にデンソーは、「今後もサービスの改良や機能追加を重ねることでyuriCargoの提供価値を高めると共に、交通事故死亡者ゼロの実現に向けて、志を同じくする企業・自治体の皆さまと共に、ドライバーの安全運転意識の向上や運転データを活用した安心・安全なまちづくりに貢献します。

 

また交通安全に限定しない、モビリティ社会に求められる新たなユースケースを生み出し、社会課題の解決に取り組んでいきます」と結んでいる。

 

*「yuriCargo」「yuriCargo SDK」「yuriCargo API」の詳細は以下URLを閲覧されたい。
https://yuricargo.com/

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。