分割冷却を強みにエンジン内サブサーキットの適切な温度管理を実現
独シェフラーは7月7日、INAブランドで取り扱うサーマルマネージメントモジュール製品の拡充を図る。同社は2011年に冷却液系に対応する第1世代の同系製品の量産を開始して以来、量産車向け製品を供給を行ってきたが、今回、自動車メーカー各社との協調をー深め、要求値される冷却液温度に精緻に応えるサーマルマネージメントモジュールを開発。CO2排出量の削減と共に燃費向上を果たした。( 坂上 賢治 )
なお同社は第2世代に於いてもロータリースライドバルブを採用。アクチュエーター採用機構では2つの独立したロータリースライドバルブにより機能改善を図っている。
2つのバルブの内1つはラジエーターからの冷却液の流出入を管理し、もう一方がシリンダーヘッドとブロック内の冷却回路の遮断を行う。このバルブの働きにより、いわゆる「分割冷却」のコンセプトを実現させた。
新たに2種類のサーマルマネージメントモジュールがBMWおよびMINI車向けに適用となった。対象部番は538 0810 10(記事トップ写真)と538 0811 10(同写真製品)
この分割冷却とは、内燃エンジン車のストップ・スタートシステムやハイブリッドシステムによって高負荷となりがちなエンジンの冷却要求に応えるもの。これによりシリンダーヘッドとブロック内の温度を最適に維持する。
第2世代製品を200万台規模の独立系アフター市場へ独占販売していく
温度を最適に維持できれば、ハイブリッド車の電気モーターからの切り替え時や、ストップ・スタートシステムで長時間停止させていたエンジンを始動する際に、燃焼室に発生する摩擦を大幅に軽減することが出来るため、燃焼効率が最適化される仕組みだ。
シェフラーオートモーティブアフターマーケット部門プロダクトマネージメント担当責任者のマイク・エバース氏は「サーマルマネージメントは、車両のエネルギー効率向上とCO2排出量削減に於いて中心的役割を果たす技術です。
最新車両は冷却・熱回路構造が複雑化しているため、高精度なシステム制御を必要とします。しかしこれを解決する事で環境保護と同時に、製品としての車両自体の寿命も延長します。
我々はVWのみならず、BMWやMINIなど複数の自動車メーカー各社の開発動向に合わせてサーマルマネージメント製品の開発に取り組んで来ており、ハイブリッド車向け修理ソリューションとして同製品ラインナップをアフターマーケット市場に初提供するサプライヤーとなる事実に誇りを感じています」と述べている。