ブリヂストンは8月3日、ブリヂストン アメリカス インク(以下「BSAM」)が、デジタルフリートソリューションプロバイダーとして北米でフリート(運送事業者)に対する運行管理サービスを展開するAzuga Holdings Inc.(以下「Azuga」)を買収する契約を、Azugaの大株主であるSumeru Equity Partners、Danlaw, Inc.などと締結したと発表した。
この買収により、BSAMは幅広いフリートを対象とした包括的なモビリティソリューションの展開を加速させていく。取得価額は企業価値391百万USドル(約428億円)に、Azugaの運転資本等に係る調整を行い、確定する。なお、今回の買収は、規制当局の承認とその他必要な買収条件を満たした後、2021年第3四半期中に完了する見込み。
ブリヂストングループは、「2050年サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供する会社へ」をビジョンとして掲げ、中期事業計画(2021-2023)において、「戦略的成長投資」を実行し、ソリューション事業のグローバル展開を加速していくことを発表している。
2012年に設立されたAzugaはシリコンバレー(カリフォルニア州フリーモント市)に本社を構えるデジタルフリートソリューションプロバイダーであり、GPSトラッキング、テレマティクス、ドライバーの動作モニタリングなど最新鋭のフリート運行管理プラットフォームを、6,000を超える北米のフリートに提供している。
今回の買収により、ブリヂストングループのモビリティソリューションをグローバルに拡大すると共に、リトレッドを中心としたタイヤセントリックソリューションとのシナジーにより、安全で効率的な運行を支え、車両の燃費改善を図るなど、安全性、環境性、経済性、生産性などの社会価値・顧客価値の更なる創出を図る。
また、Azugaが持つ運行管理プラットフォームから得られる車両データは、断トツ商品の開発にも活用される。タイヤの顧客ベースの拡大などを含め、タイヤ事業においても、シナジーを生むことが期待できるとしている。
ブリヂストングループのモビリティソリューションは、2019年に買収した欧州No.1のデジタルフリートソリューションプロバイダーWebfleet Solutionsを中核として、グローバルに拡大を計画している。今回の買収は、Webfleet Solutionsから得たノウハウ、知見も活用し、最大市場と見込んでいる北米で、ブリヂストンのモビリティソリューションのスケールアップを図るもの。
本件に際し、株式会社ブリヂストン 取締役 代表執行役Global CEOの石橋秀一は次のように述べている。
「ブリヂストングループは、北米において、運送事業者様に向けて、最先端のタイヤ技術やリトレッドを中心としたタイヤセントリックソリューションを業界トップクラスの規模で提供しています。
Azugaがブリヂストングループの仲間に加わることにより、さらに幅広いお客様に対して、デジタルを活用したモビリティソリューションを提供することが可能となりました。2021年6月に少額出資を発表しました長距離トラック自動運転技術を開発するKodiak Robotics社との連携を含め、北米を中心として包括的なモビリティソリューションの展開を進めています。
また、欧州のWebfleet Solutionsとの連携を深めることにより、規模と質の両面から、ブリヂストンのモビリティソリューションを進化、欧米を始めとしてグローバルへ拡大することにより、よりサステナブルで、安心・安全なモビリティ社会へ貢献していきます。」