ボッシュが提供するECU 診断とマルチメーター機能を備えた新型通信モジュール「KTS 560」および 「KTS 590」は、一般社団法人日本自動車機械工具協会による、車載式故障診断装置を活用した自動車の電子的な検査(OBD検査)に使用する検査用スキャンツールの型式試験に合格した。
型式試験番号
KTS 560:JASEA-KS-30
KTS 590:JASEA-KS-31
上記OBD検査とは、自動運転技術等の電子装置に搭載された自己診断機能である車載式故障診断装置(OBD)を利用した新たな自動車検査手法を指す。
近年、衝突被害軽減ブレーキ等の自動運転技術については、軽自動車を含む幅広い車両への搭載が進んでおり、これらの技術は、交通事故の防止に大きな効果が期待される一方、故障時には誤作動等により事故に繫がる恐れがあることから、使用時に於いても確実に機能維持を図ることが重要になっている。
そこで令和6年10月から、自動車の検査(車検)で衝突被害軽減ブレーキ等の自動運転技術等に用いられる電子制御装置の目に見えない故障に対応するための電子的な検査が開始される。
このOBD検査の対象となる車両は、国産車は令和3年(2021年)10月1日以降の新型車(フルモデルチェンジ車)、輸入車は令和4年(2022年)10月1日以降の新型車(フルモデルチェンジ車)で、今後、整備工場は幅広い車種への新しい対応が求められる。
その際、「KTS 560」 および 「KTS 590」 は、診断ソフトウェアESI[tronic] Evolution の使用に最適であるとボッシュでは謳っている。このESI[tronic] Evolutionとは、ボッシュが提供する診断ソフトウェア。
サイバーセキュリティ―から車両を保護するセキュアゲートウェイ(SGW)によって、セキュリティ保護された診断機能を実行可能にする「セキュア ダイアグノスティック アクセス (SDA)機能を実装し、様々な自動車メーカーの診断作業が可能で、世界150以上のブランド、90,000台以上の車両を高水準でカバーするという。またOBD検査だけではなく、幅広い車種でOBD検査に不適合だった場合の故障箇所の特定・整備・診断も可能としている。
なお「KTS 560」 および 「KTS 590」 は、ESI[tronic]Evolution がインストールされたライセンス認証済みのWindows 10 64bitもしくはWIndows 11 PCで使用可能で、診断の際にはPC とのワイヤレス Bluetooth®接続により、整備工場内広範囲におけるモバイル使用が可能となっている。
実際のOBD検査時では、有線にてインターネットを経由しOBD検査用サーバーに接続して検査を行う。現在のイーサネットを含む将来の車両インターフェースにも対応し、今後対応が求められるOBD検査だけでなく、メンテナンスや配線図、診断機能、修理、トラブルシューティング手順、車両データにアクセスできるなど、新しい車種に対しても包括的なサービスを可能にする。