オートバックスセブンは11月17日、フィリピンの「パーペチュアル・ヘルプ大学 (UNIVERSITY OF PERPETUAL HELP RIZAL/以下、UPH)」と、同国での自動車整備士の人材育成および、日本でのキャリア形成を推進するプロジェクトで先の14日に基本合意した。
そもそもオートバックスグループでは、2006年からUPHと提携。外国人技能実習生の受け入れを行っていた。
同社は、これまでに526名(10月末現在)の外国人技能実習生を受け入れてきた他、2019年に在留資格として特定技能制度が開始されたことに伴い、103名(10月末現在)の「特定技能1号(技能を有する業務に係る外国人向けの在留資格)」を有する資格者を自社グループ店舗で就労する体制を既に敷いている。
これを踏まえて今回は、フィリピンの学生が自動車整備を学ぶための研修施設の新設を更にサポートするために新たな教育環境整備の費用を寄付。UPHと共に学生の自動車整備のキャリア形成の支援を支援体制を拡充。日本に於ける整備士資格取得の新教育コースも開発・運営していく構え。
より具体的には、来年秋頃からの開校が予定されている当該の新教育コースで、UPHでの1年間の研修を通じて、「自動車整備分野特定技能評価試験」及び「日本語能力N4」の資格取得と、日本に於ける在留資格の「特定技能1号」の取得についても手厚く支援する。
上記の新たな教育環境下で資格を取得した学生は、速やかに日本に渡り、自動車整備に関連する企業で働きながら、日本語や自動車整備に関わる追加研修を日本国内で受講しつつ「三級自動車整備士」の資格取得を目指す。
更に将来的には、「特定技能2号(熟練業務従事者に係る外国人向けの在留資格)」合格を獲得することで、無期限の在留期間を得て、二級自動車整備士や自動車検査員への道を臨むとしている。
なお以上の「UPHでの研修の企画運営」、「講師の教育・派遣」、「日本への入国・就労支援」や「日本での研修」などの一連の事業運営・管理は、オートバックス子会社で人材支援サービスを展開するチェングロウス担い、これまでに培ってきた自動車整備分野でのプロフェッショナル人材の育成ノウハウを活かしていく。
こうした取り組みについてオートバックスは、「学生らの受入先企業をグループ店舗に限定せず、他の自動車関連企業にも積極展開していく計画です。
同活動を介して海外で高度な技術を持つ人材を育成し、増やしていくことで、日本の自動車整備業界が抱える人材不足の解決に寄与していきます。
また同活動を通して業界全体の発展を目指すと共に、国際的な人材のキャリア支援にも貢献してまいります」と話している。