アウディ・ジャパンは、バーチャルゲーム「グランツーリスモ」に登場するEVレーシングカー「Audi e-tron Vision Gran Turismo(ビジョングランツーリスモ)」の実車を製作、8月4日に富士スピードウェイで開催されたスーパーGT第5戦「FUJI GT 500mile RACE」でデモンストレーションランを行った。
「Audi e-tron Vision Gran Turismo」は、プレイステーション4用レースシミュレーションソフト「グランツーリスモ」とのコラボレーションにより、アウディがデザインしたバーチャルカーだ。
アウディはこのクルマを現実世界のワンオフカーとして開発/製造。
200kWの電気モーターをフロントアクスルに1基、リヤに2基を備えるフルタイム4WD(quattro)のEVで、システム総合出力は600kW(815hp)に達し、0~100km/h加速は2.5秒以下という驚異的なタイムを実現している。
デモランでは、同社のスポーツブランドAudi Sportのファクトリードライバーで、R8によりルマン24時間レースで3度の総合優勝を果たした経歴を持つブノワ・トレルイエ氏がドライバーを担当。
同氏は、かつて日本でもフォーミュラ・ニッポンやスーパーGTにも参戦していて、日本でも馴染みが深いレーシングドライバーだ。
また、当日はゲストとして、元AKB48のメンバーで、現在は女優として活躍する篠田麻里子さんも登場。助手席での同乗走行で富士スピードウェイのレーシングコースを3周し、Audi e-tron Vision Gran Turismoの日本初走行を体感した。
<Audi Sportファクトリードライバー ブノワ・トレルイエ氏のコメント>
「フォーミュラEのテストでEVのレースカーに乗ったことはありますが、このクルマはもっとパワフルだし、四輪駆動で、ハンドリングもいい、素晴らしくファンなクルマです。世界に1台のクルマなので今日のデモ走行では無理はできませんでしたが、富士の最終セクターならSUPER GTのマシンよりも速く走れるのではと思ったほどでした。EVのレースカーはドライバーとしてみてテクノロジーの面でたくさんのアドバンテージがあると思います。お客さんの立場でみれば、エンジンサウンドがないことは、もちろん私自身も寂しくはあるけれど、しかし、世界中のサーキットが都市から遠く離れているのは、大きなエンジンサウンドがあるためです。将来的にレースというものを広げていくためには、EVのレースというものは1つのチャンスだと思います」
<篠田麻里子さんのコメント>
「サーキットやレースもゲームでは体験したことがありますが、実際に訪れたのは初めてでとても緊張しました。グリッド上で赤いシグナルが5つ点灯して消えるとスタート、というレースのシーンもリアルに体験することができて本当にうれしかったです。私自身プライベートでEVを運転する機会があるのですが、ブノワさんの運転はスピードもコーナリングも未知の世界のものでした。EVのレースカーということで、加速は凄かったですが、音は思っていた以上に静かでした。やはりEVは静かで快適ですし、ガソリンを使わないという意味ではエコだと感じます。将来的はレースでもこうしたクルマがどんどん起用されてくるのだと思いますし、その未来に向けての貴重な1台に日本人として初めて乗ることができてとても光栄です」