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2021年5月27日【アフター市場】

ナビタイム、コロナ禍での経路検索や目的地検索の変化を分析

NEXT MOBILITY編集部

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ナビタイムジャパンの交通コンサルティング事業部門は5月27日、新型コロナウイルス感染拡大前から現在における、経路検索数や目的地検索の変化を分析し、その結果を発表した。

 

 

同分析は、2020年2月3日(月)~2021年5月16日(日)までの期間を対象に、緊急事態宣言発令期間やその前後、ゴールデンウィーク期間における目的地検索等の変化を検証したもの。同社が運営する各種ナビゲーションサービス(『NAVITIME』、『カーナビタイム』、『自転車NAVITIME』他)から同意を得て取得した経路検索条件データ(検索履歴データ)を活用している。

 

 

今回分析の対象としたのは、下記の4項目。

 

 

◾️分析内容

① 経路検索数の変化(交通手段別)
② 経路検索数の変化(ジャンル別・自動車)
③ ゴールデンウィーク期間中のスポット検索ランキング(自動車)
④ ゴールデンウィーク期間中における都道府県間の越境移動

 

 

それぞれの項目の詳細な分析は以下となる。

 

 

 

① 経路検索数の変化(交通手段別):今年も緊急事態宣言期間中は自転車の検索数が増加傾向

 

 

ナビタイムジャパンが提供するナビゲーションサービスの経路検索条件データを元に、検索件数を交通手段別(自動車/自転車/公共交通)に集計。2020年2月3日週の値を100とした時の週次の検索数をグラフで示している。

 

 

1度目の緊急事態宣言期間中(2020年4月7日~5月25日まで)は、自動車および公共交通の検索数が減少している一方、自転車の検索数が増加傾向であることがわかる【図1の①】。解除後は、自動車と公共交通の検索も回復傾向ですが、11月頃から年末年始にかけて一時的に減少【図1の②】。一方、2度目の緊急事態宣言期間中(2021年1月8日~3月21日まで)は、いずれの検索数も宣言前と比較して増加傾向【図1の③】。また、3度目の緊急事態宣言期間中(2021年4月25日~)は、自動車および公共交通の検索数は減少傾向であるものの、自転車の検索数は増加しており、特にゴールデンウィーク期間の検索数は2020年のゴールデンウィーク期間に比べて約1.5倍増加していることがわかる【図1の④】。

 

 

 

 

② 経路検索数の変化(ジャンル別・自動車):今年のゴールデンウィークはレジャー等の検索数が昨年より増加

 

 

ナビタイムジャパンが提供するナビゲーションサービスの経路検索条件データを元に、自動車利用を対象として目的地の検索数をジャンル別に集計。お出かけに関する6つのジャンル「生活用品/日用品」「ショッピングモール/商店街」「レジャー/アウトドア」「スポーツ」「映画/劇場/ホール/ライブハウス」「宿泊/温泉」ごとに、2月3日週の検索数を100とした時の週次の検索数をグラフで示している。

 

 

1度目の緊急事態宣言期間中(2020年4月7日~5月25日まで)は、「生活雑貨/日用品」以外の検索数が軒並み減少。その後2020年8月~10月頃にかけて「レジャー/アウトドア」「ショッピングモール/商店街」の検索数が一時的に増加したが、年末年始から2度目の緊急事態宣言期間(2021年1月8日~3月21日まで)に入ると一転して減少傾向。一方、2021年のゴールデンウィーク期間は2020年のゴールデンウィーク期間に比べて「レジャー/アウトドア」や「ショッピングモール/商店街」の検索数が増加傾向であることもわかる。

 

 

 

 

③ ゴールデンウィーク期間中のスポット検索ランキング(自動車):今年は屋外の観光スポットが人気

 

 

ナビタイムジャパンが提供するナビゲーションサービスの経路検索条件データを元に、目的地として検索された人気スポットを集計。自動車利用の検索を対象とし、2020年および2021年のゴールデンウィーク期間(各年ともに4月29日~5月6日)の検索をランキング化した。

 

 

2020年のゴールデンウィーク期間は、29位中13件が「生活雑貨/日用品」に関する大型商業施設だった。一方、2021年のゴールデンウィーク期間は、自動車でアクセスしやすいアウトレットなどのショッピングモールや、「国営ひたち海浜公園」「あしかがフラワーパーク」「マザー牧場」など、季節的にも人気な屋外スポットが多く検索された。

 

 

 

 

④ ゴールデンウィーク期間中における都道府県間の越境移動:今年は公共交通を利用した移動需要が増加

 

 

ナビタイムジャパンが提供するナビゲーションサービスの経路検索条件データを元に、出発地と目的地で異なる都道府県内にあるスポットの検索を対象として、各都道府県における県外からの移動需要を集計。全ての交通手段(徒歩、電車、バス、飛行機、自動車、バイク、自転車、フェリー)を対象にした検索と、交通手段別(自動車と公共交通)の検索を分析し、2020年ゴールデンウィーク期間の検索数を100とした時の2021年ゴールデンウィーク期間の検索数の伸びを都道府県ごとにグラフで示した(各年とも5月1日~5日まで)。

 

 

全ての分析結果で、全都道府県において、2020年ゴールデンウィーク期間の検索数よりも2021年の検索数が増加【図4、5、6】。また全ての交通手段を対象とした検索において、昨年の検索数と比較した場合の全国平均は2.4倍で、特に、北関東(栃木県・群馬県)や中部地方で関東に隣接している県(山梨県・長野県・静岡県)、山陰地方(鳥取県・島根県)、九州地方(長崎県・熊本県、大分県、沖縄県)などではこの平均(2.4倍)を超え、一方、大都市圏(札幌・東京・名古屋・大阪・福岡)を含む都道府県は下回っている【図4】。

 

 

全ての交通手段を対象にした検索と自動車の検索を比較して見ると、全国平均や各都道府県の検索傾向はほぼ同様であることがわかる【図4、5】。一方、公共交通の全国平均は3.3倍と、他2つの全国平均を大きく上回り、北関東や中部地方、九州地方(特に長崎県)だけでなく、四国地方など多くの都道府県で、公共交通を利用した移動需要が増加したことがわかる【図6】。

 

 

 

 

 

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。