CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D.パワー ジャパンは10月22日 、2020年の日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査℠ <市販ナビカテゴリー> (Japan Navigation Systems Customer Satisfaction Index StudySM – Aftermarket)の結果を発表した。
調査の結果、アルパインが694ポイントを獲得し、今回で9年連続となる総合満足度第1位に。全ファクターでランキング対象ブランド中、最も高い評価を得た。次いで、第2位パイオニア(628ポイント)、第3位(同点):デンソーテン、ケンウッド、パナソニック(619ポイント)となった。
調査は、総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出した。顧客満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「ナビゲーション機能・性能」(27%)、「音楽や映像関連機能・性能」(18%)、「モニター」(18%)、「デザイン・質感」(17%)、「操作性」(14%)、「各種機能・アプリ、サービス」(5%)となっている(カッコ内は影響度)。
同調査は、年に一回、ナビゲーションメーカーのブランド名で、自動車用品店等を通じて販売されるナビゲーションシステムを対象に、顧客満足度を聴取し明らかにするもの。今年で14回目の実施となる。
その他、今回の調査結果に見られた特徴は以下の通りになっている。
■ブランド間の顧客満足度スコア差、減少傾向に
調査対象全ブランドの業界平均スコアは1,000点満点中631ポイントと、前年比+8ポイント(2019年は前年比+18ポイント)で、前回調査に比べ緩やかな改善だった。
調査対象となった5ブランド中3社が同スコアという結果になり、ブランド間のスコア差は縮小傾向にある。
■モニターに対する満足度が高い一方、操作性に改善余地
満足度を構成するファクター別にみると、「ナビゲーション機能・性能」「モニター」「音楽や映像関連機能・性能」「操作性」「デザイン・質感」「各種機能・アプリ、サービス」の6ファクターのうち、「モニター」が648ポイントと最も高かった。
「操作性」は606ポイントと最も低く、この2年間で相対的に低い状況は変わらない。2020年日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査℠ <自動車メーカー純正ナビカテゴリー> でも同様の傾向が見られ、純正ナビ、市版ナビ共通の課題であると言える。
■音楽・映像機能の満足度伸びが目立つ
「音楽・映像機能」は638ポイントと前年比+14ポイントで最も改善が見られ、またこの2年間で向上している。
利用ソース別で見ると、ラジオやCD、ワンセグ/フルセグTV使用経験者よりも、ナビゲーションのハードディスクやメモリー、またDVD/ブルーレイの使用経験者の方が満足度は高く、インターネットラジオ/インターネット音楽配信・動画配信/ストリーミングサービス使用経験者では、さらに高まる傾向であることが分かった。
■スマホ連携は増加傾向、7割弱が接続経験あり
回答者の66%はスマートフォン接続経験があると回答しており、ここ2年で+10ポイントだった。
本調査では、次回ナビ購入時に、通信機能を使った機能・アプリ、サービスに関心があるかを尋ねている。その結果、「地図情報の更新」が33%、「ニュースや天気予報等の情報サービス機能・アプリ」が26%という結果になり、いずれも昨年比+5ポイントと相対的に高いことを確認した。
J.D. パワー オートモーティブ部門マネージャー の岩倉勇人氏は、今回の調査に対し、次のようにコメントしている。
「今年の調査結果を見ると、全体としては緩やかな改善をしている中、特にユーザーがナビ購入時に重視している音質や画質、モニター(サイズ、画質等)において満足度向上が見られ、各社の継続的な改善活動が顧客の期待に応えた結果と捉えることができる。また音楽・映像機能での利用ソース別に見るように、スマホ連携により満足度が向上していることがわかった。課題としては純正ナビ同様、操作性に対する一層の改善が望まれる」
■J.D.パワー 2020年 日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査℠
<市販ナビカテゴリー>概要
・実施期間:2020年7月
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:2018年4月~2020年3月に市販ナビゲーションシステムを購入したユーザー
・調査回答者数:1,920人
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したもの。