MS&ADインシュアランスグループのあいおいニッセイ同和損害保険(以下、あいおいニッセイ)は10月25日、電気自動車(EV)のビッグデータ取得とEV向け商品・サービスの開発に向け、EV専門レンタカーサービスや法人向け車両管理サービスの提供を行うルクセンブルクの「UFOドライブ社 (UFO Drive)」と、24日に資本業務提携契約を締結したと発表した。
この資本業務提携に際して、UFOドライブ社のCEOであるAidan McClean氏は、「EV向け製品やサービスのためのプラットフォームを開発したパイオニアとして、私たちはあいおいニッセイ同和損保や、その欧州子会社などの戦略的パートナーと共に、次世代のサービス提供を目指します」とコメントしている。
1.背景
近年、欧州では環境規制や各国政府の税制優遇、購入資金支援等によりEVの普及が加速。特に欧州連合(EU)では、2035年までに全ての新車をゼロエミッション化する方針を表明するなど、多くの自動車メーカーがEVシフトを進めている。
また、日本に於いても、2050年までのカーボンニュートラル達成に向け、補助金制度の導入やインフラ設備の拡充など、EVの普及促進に向けた政策が実施され、自動車メーカーがEV技術の開発に注力するなど、国内外での市場拡大を目指している。
あいおいニッセイは、それら自動車業界を取り巻く状況を鑑み、EVの普及の後押しに向けて、EV関連のビッグデータ取得とEV向け商品・サービスの開発を目的に、欧米でEV専用レンタカーサービスや法人向け車両管理サービスの提供を行うUFOドライブ社と、資本業務提携契約を締結したと云う。
2.資本業務提携の内容
(1)出資について
– 出資完了日:2024年9月25日
– 出資の概要:大手レンタカー企業Hertzがリード投資家を務めるラウンドに参加。
(2)UFOドライブ社について
– 会社名:UFO Drive SA
– 所在地:ルクセンブルク
– 設立年月:2018年1月
– 代表者:Aidan McClean
– ホームページ:https://www.ufodrive.com /https://www.ufofleet.com
– 業務内容および特徴:
①EV専門レンタカービジネス
全手続きがデジタライズ化されて、スマートフォンから最短2分で利用できるレンタカーサービスを欧米10カ国、40拠点で展開。
②SaaSビジネス(フリートマネジメントサービスの提供)
EVを有するレンタカー会社などに、リアルタイム車両管理や充電スポットへの車両誘導など、EVのマネジメントノウハウを企業に合った内容にカスタマイズしたSaaS(サーズ)30製品を、17カ国で提供(約2,000台のEVデータを常時取得・保有)。
レンタカーアプリ画面(左)と、EV向け車両管理画面(右)(共にイメージ)。
(3)具体的な取り組み(欧州で先行)
①EV専用商品の開発
UFOドライブ社のEVデータを活用し、電費(バッテリー残量)と走行距離の相関性から保険料を算出するEV専用自動車保険を開発し、2026年までの販売開始を目指す。
②運転挙動と連動したEVバッテリー専用ワランティの開発
UFOドライブ社のEVデータとテレマティクスデータを掛け合わせ、運転挙動データとバッテリーの消費・劣化との相関分析を行うことで、EVバッテリー専用ワランティの開発を目指す。
3.今後の展開
欧州で提供するEV向け保険商品等を通じて得た知見・ノウハウを活用し、日本国内に於けるEVの安全・安心な普及に貢献していく。