AGC(本社:東京、社長:島村琢哉)はNTTドコモ(以下、ドコモ)と共同で、ドコモの5G周波数に対応する電波送受信が可能なガラスアンテナ〝WAVEATTOCH〟の開発を完了させた。(坂上 賢治)
5G(3600MHz~3700MHz,4500MHz~4600MHzの周波数帯)対応の『窓を基地局化するガラスアンテナ』の開発は同社調べによると世界初になるという。今後はドコモの5Gネットワーク拡大に伴い2020年内に都市部を中心に全国で展開される。また今後の需要増に対応するための量産工場の稼働も開始した。
完成させたWAVEATTOCHは街の景観を損ねることなく、通信のネットワーク構築を図るアンテナ増設が必要とされるなか、ドコモと2018年11月に既存窓(室内側)の表面にガラスを貼り付けることで屋外をサービスエリア化することができるガラスアンテナを共同開発(19年10月よりドコモ4G LTE携帯電話向けのサービスエリアの提供を実施)。
これらの取り組みを経て5Gエリアの拡充を目指して、ドコモの5Gにて使用される高周波数帯に対応したガラスアンテナの開発を遂に完了させた。併せて周辺部材を透明にすることで、より景観や室内環境を損なわないデザインも実現させている。
さらに今後は従来の指向性が高い高利得タイプ(高利得タイプとは、電波を直線的に発することで約100~200m先にもネットワーク構築が可能な電波が届く仕様のこと)に加え、より広い角度への電波発信が可能なワイドビームタイプも本年度中の開発完了させることで、さらに柔軟なエリア設計を可能にしていく構えだ。
AGCグループでは「経営方針AGC plusの下、今後もお客様に満足頂ける新たな価値をプラスした製品をご提供できるよう技術革新を進めてまいります」と語っている。
5Gガラスアンテナの仕様は以下の通り
<基本仕様>
– サイズ 843mm × 185mm
– 重量 約2kg
※アンテナガラスのみのサイズ、重量。ケーブル、既存ガラスへの取り付け部材、付属品は除く。
<ガラスアンテナ単体仕様>
– 高利得タイプ
– 周波数 3.6~3.7GHz帯 4.5~4.6GHz帯
– 利得 9.5dBi 9.0dBi
– チルト角 約25deg. 約25deg.
– 半値幅(垂直面) 約30deg. 約26deg.
– 半値幅(水平面) 約30deg. 約26deg.
– 耐電力 5.0W以下 5.0W以下
– VSWR 2.0以下 2.0以下
<景観に配慮した透明仕様>
周辺部材を透明にすることで、より景観や室内環境を損なわないデザインを実現させた(青字点線が透明化部分)、