東日本旅客鉄道 (以下「JR東日本」)は10月28日、東急不動産、JR東日本、一般社団法人竹芝エリアマネジメント(以下「竹芝エリアマネジメント」)、MONET Technologies(以下「MONET」)、KDDI、kmモビリティサービスの6者が、国土交通省の公募に対して、「都心区における旅行者・居住者向けマイクロツーリズムの実証実験」を事業主体である東京都港区と連携して提案し、採択されたと発表した。
実証実験では、2021年11月12日から12月6日まで港区の浜松町・竹芝エリアや高輪・白金・白金台エリアにおいて、「グリーンスローモビリティ」を運行することで、地域の交通課題解決および、旅行者・居住者が近隣地域の観光を楽しむ「マイクロツーリズム」促進による地域の活性化を目指す。
■目的
実証実験の対象エリアは充実した南北方向の移動手段に対し、東西方向の移動手段及び移動効率が低いという交通課題がある。また、浜松町・竹芝エリアは海に囲まれているため回遊性が低く、高輪・白金・白金台エリアは道幅が狭く急勾配な坂道が多いというそれぞれの地形特性による課題もあり、グリーンスローモビリティの「環境性能の高さ」、「コンパクトさ」、「乗降のしやすさ」といった特徴が、両エリアが抱える交通課題の解決につながることを期待される。
また、事業主体である港区は「港区基本計画」、「港区総合交通戦略」、「港区環境基本計画」、「港区低炭素まちづくり計画」において、小型モビリティの導入検討や環境負荷の少ない車両の運行によりゼロカーボンシティを目指していくことを掲げており、実証実験を通して都心における新たなモビリティ活用の可能性を検証するとともに、マイクロツーリズムの促進を図り、両エリアの活性化につなげる。
なお、グリーンスローモビリティ(通称:グリスロ)とは、「時速20㎞未満で公道を走ることができる電動車を活用した小さな移動サービス」のこと。環境への負荷が少なく、狭い路地も通行が可能な点が特徴で、観光客の周遊や高齢者の移動手段の確保など地域の様々な事情に合わせて活用することができる。地域が抱える交通課題解決と脱炭素社会の確立を同時に実現できる新たなモビリティとして期待を集めている。
■主な停留所および実施プログラム