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2020年8月17日【アフター市場】

SOMPO HDら、ブロックチェーンによる保険金支払の自動化実証へ

NEXT MOBILITY編集部

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SOMPOホールディングスと損害保険ジャパン、ナビタイムジャパン、LayerXの4社は、保険事故発生の自動検出と保険金支払業務自動化の技術検証のため、MaaS(※1)領域におけるブロックチェーン技術を活用した、国内で初(※2)となる実証実験を、8月18日から共同で実施する。

昨今、MaaSに代表されるあらゆるモノがサービス化された世界や、人やモノがインターネット上でつながるスマート社会の実現など、デジタルテクノロジーによる産業構造の変革が急速に進んでおり、我々の価値観や生活スタイルに大きな変化をもたらすことが予想されている。

 

MaaS社会においては、モビリティに関わる検索・予約・決済などのあらゆるサービスが一つに集約され、シームレスに実行できるとされており、MaaS元年とも言われる昨年度から全国各地でさまざまな実証実験が行われている。

 

そのことから、SOMPOホールディングスおよび損害保険ジャパンは、保険においても、従来どおりの書類のやり取りが必要な保険金請求や支払手続きではなく、デジタル技術を活用して自動化・効率化させ、顧客の利便性の向上を図ることが必要だと考えていると云う。

 

そこで今回、MaaS社会の到来を見据え、保険の新たな顧客体験の可能性を検証するため、ナビタイムジャパンの経路検索アプリケーション「NAVITIME(※3)」および「乗換 NAVITIME(※4)」の利用者からテストモニターを募り、LayerXのブロックチェーン技術を活用して、保険事故発生の自動検出と保険金支払業務自動化の技術検証を主目的とした実証実験を、4社共同で実施することとした。

 

また、今後は実証実験の結果を踏まえ、事故発生から保険金の支払いプロセスにおける新たな体験価値の創造を目指して、新商品やサービスの開発へ向けた検討を進めていくとしている。

 

 

※1:Mobility as a Service の略。出発地から目的地までの移動ニーズに対して最適な移動手段をシームレスに一つのアプリで提供するなど、移動を単なる手段としてではなく、利用者にとっての一元的なサービスとしてとらえる概念。

※2:SOMPOホールディングス、損保ジャパン、ナビタイムジャパンおよび LayerX調べ。

※3:NAVITIMEは、ドア to ドアで徒歩、電車、バス、車などの移動手段を組み合わせた最適なルート案内や時刻表、現在地周辺のスポット検索などが可能な総合ナビゲーションアプリ。
※4:乗換 NAVITIMEは、乗換案内に特化したアプリで、路線図からの乗換検索や鉄道運行情報の確認、電車遅延・運休時の迂回ルート検索などが可能。

 

 

[実証実験の概要]

 

実証実験では、「電車の運行遅延」を保険金請求事由と見立て、ブロックチェーン上でさまざまなプログラムを自動的に実行できる仕組みのスマートコントラクトを活用し、JR宇都宮線・高崎線・埼京線の遅延情報を自動検知し、位置情報をもとに当該遅延の影響を受けたと判定されるテストモニターに対して、保険金に見立てたデジタルクーポンを即時に自動発行、配付する。

 

また技術検証のみならず、新たな体験価値として受容されるサービスか否かを検証するため、実証実験に参加しクーポンを受け取ったテストモニターへ、満足度を問うアンケートを実施する。

 

・実施期間:2020年8月18日から2020年9月30日
・参加者 :ナビタイムジャパンが提供する「NAVITIME」「乗換 NAVITIME」の利用ユーザーから募集したテストモニター

 

<モニター募集について>

 

モニター希望者は、以下のQRコードから実証実験モニター募集ページにアクセスし、登録手続きを行う。なお、モニター登録数の上限に達した場合には登録ができなくなる。

 

 

 

<実証実験の概要>

 

 

<実証実験における各社の役割>

 

・SOMPOホールディングス:全体統括
・損害保険ジャパン:実証実験モニターのニーズ調査
・ナビタイムジャパン:モニター募集および API 提供
・LayerX:システム企画および開発

 

 

[各社のコメント]

 

■SOMPOホールディングス

デジタル戦略部 課長代理 鶴澤義章氏

 

SOMPOホールディングスは、さまざまなパートナーとの提携や最先端のデジタル技術を
戦略的に活用し、「安心・安全・健康のテーマパーク」の実現を目指しています。本取組みでは、世界的にも注目されているブロックチェーン技術を活用したスマートコントラクトに着目し、保険分野における活用可能性を検証します。

 

■損害保険ジャパン

リテール商品業務部 課長代理 安藤聡昭氏

 

損保ジャパンは、デジタル革命による MaaSが生活インフラとなるスマート社会の実現や、産業構造の変革により急速に広がるお客さまの価値観や生活スタイルの変化に柔軟に対応するために、さまざまなパートナーとの共創や最先端のデジタル技術の活用により、新たなお客さま体験価値の向上と価値ある商品・サービスの創造を実現していきます。

 

■ナビタイムジャパン

メディア事業部 兼 トラベル事業部 部長 毛塚大輔氏

 

ナビタイムジャパンでは、マルチモーダル経路探索技術をもとに、徒歩、電車、バス、飛行機、車など、さまざまな移動手段から最適なルートを案内する、ドア to ドアのルート案内アプリ「NAVITIME」等を提供しています。
 これまでも本技術を活かし、多様化する次世代モビリティの普及や MaaS領域の課題解決に向けて、サービス連携や研究開発を進め、より快適な移動を実現できるよう努めてまいりました。
 本取組みでは、ユーザーの皆さまに、移動時の不便や不安な体
験時に、新たな付加価値を提供することによって、少しでも快適な移動をサポートできればと考えています。

 

■LayerX

執行役員兼 LayerX Labs 所長 中村龍矢氏

 

LayerXはブロックチェーン技術等のテクノロジーを活用した経済活動のデジタル化を推進しています。また、ブロックチェーンの社会実装を推進すべく研究開発組織「LayerX Labs」を立ち上げ、昨今急速な盛り上がりを見せている「スマートシティ」を主要研究開発テーマのひとつにしております。
 本実証実験は、スマートシティの中でも最重要パーツのひとつである MaaS 領域におけるブロックチェーン技術の活用、また保険会社において大量の紙のやり取りが残る事故情報の収集・査定ならびに保険金支払業務の自動化を試みる、従来の業務プロセスを大きく変革する可能性のある取組みです。
 本取組みを通じて、保険会社における経済活動のデジタル化を一層推進してまいります。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。